中畑DeNA 鎌倉で1500人集結必勝祈願

[ 2012年3月28日 06:00 ]

必勝祈願後にマイクで選手関係者、ファンに健闘を誓う中畑監督

 いざ鎌倉――。DeNAは27日、プロ球団として初めて神奈川県鎌倉市の鶴岡八幡宮で必勝祈願を行った。中畑清監督(58)ら選手、スタッフ60人に、ファン1500人も集結しての合同参拝。中畑監督は4年連続最下位からの脱出、そして上位進出へ向けて所信表明を行うなど、何もかもが異例づくし。1185年に鎌倉幕府を開いたといわれる源頼朝のように、本気で天下獲りを狙う。

 中畑監督が戦う男の顔になった。必勝祈願が行われた鶴岡八幡宮の「舞殿」をステージに、集結した1500人のファンの前でシーズン開幕へ向けての所信表明を行った。

 「ベイスターズはこの1年間で生まれ変わります。今年は10点差で負けていても、最後の最後まで諦めない粘り強い全力プレーをお見せします」

 新球団の門出にふさわしい必勝祈願だった。昨年までは横浜スタジアムにほど近い伊勢山皇大神宮で必勝祈願が行われていたが、DeNA元年の今季、源頼朝 が幕府を開 いた鎌倉の地に変更した。鶴岡八幡宮の関係者は「ここでプロ球団の必勝祈願をやるのは初めてだと思う」と振り返る。4年連続最下位からの脱出、そして上位進出へ。かつて隆盛を極めた源氏の武運にあやかった。

 今オープン戦では十分な結果を残してきた。投手陣は18イニングを投げて無失点の国吉を筆頭に、チーム防御率は12球団で唯一の1点台となる1・91。打線も中軸のラミレス、筒香をケガで欠いたが、17試合で23盗塁と機動力を生かした野球をチームに浸透させ、3位に食い込んだ。指揮官は「(監督就任という)このチャンスを頂くまで、野球に対する情熱が消えたこともありました」とファンに偽らざる本音を打ち明けたが、今は違う。ご恩と奉公。頼もしいナインとともに、球団の呼び掛けもあり「いざ鎌倉」と駆けつけた多くのファンにも報いる覚悟だ。

 いよいよ3日後の30日には阪神との開幕戦(京セラドーム)が控える。中畑監督は「宮司さんからも(祝詞で)“熱いぜベイスターズ~”と言ってもらった。最高のプレーをすることを約束しま す」と固く誓った。夢の天下獲りへ、いざ出陣する。

 ▼鶴岡八幡宮 1063年に源頼義が京都・石清水八幡宮を鎌倉に勧請。その後、1180年に鎌倉入りした源頼朝が現在の高台に移築した。源氏の守護神として武家の崇敬を集め鎌倉幕府を開いた頼朝は「自分の武運は鶴岡八幡宮のご加護によるもの」と話し、深く信仰したとされる。源氏滅亡後も北条氏、徳川氏らが「武門のシンボル」として手厚く保護してきた。

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