阪神セ唯一勝利!アニキ→新井→城島とどめ弾

[ 2010年6月3日 06:00 ]

<楽・神4>9回、3ランの城島(右)は金本に迎えられる

 【阪神7-3楽天】杜の都で六甲おろしが鳴り響いた。1点を追う9回の阪神の攻撃。怒とうの逆転劇を導いたのは、金本の4番としてのプライドだった。1死一、三塁で楽天の守護神・川岸の内角球に差し込まれながらも右手をバットから離し、左手だけで右前に落とした。

 「当たりがどうこうじゃなくて、どこかに飛んでくれればと思っていました。気持ちだけでした」。頭にあったのは7回の場面。同点の1死満塁で三振に倒れてチャンスをフイにし「打ってれば違う展開になっていた」と責任を感じていた。執念の同点打。これが阪神で長年4番を務めてきた男の凄みだった。

 さらに1死一、三塁から新井が右翼に決勝犠飛。ブラゼルが右越え安打で続くと、城島がダメ押しの3ランを左翼席に突き刺した。前夜のサヨナラ負けを吹き飛ばす一挙5得点の逆転劇。弟分の新井は「金本さんのおかげです。きょうの勝ちは大きいです」と最敬礼だ。

 金本にとって、東北福祉大時代に4年間を過ごした仙台は「第2の故郷」。前夜も復活弾を放った42歳はヒーローインタビューで「ここに来ると何か感じがいいし、雰囲気がいい。思い出がたくさんある球場なので、僕は仙台が好きです」と声を弾ませた。
 パ・リーグ勢の勢いが目立つ交流戦。この日はセ・リーグで唯一勝利を収め、意地を見せた。右肩痛が完治しない中でも勝負強さを見せた金本に、真弓監督も「ああいう好機を2回も3回もミスする選手じゃない」と変わらぬ信頼を口にした。

 ▼阪神・城島(9回2死一、三塁から、14試合ぶりの一発となるダメ押しの9号3ラン)インサイドの真っすぐを待っていたら、肩口から入ってきた。(打球は)低かったけど、十分入ると思いましたよ。

 ≪マートン3番初打点≫阪神のマートンが、3番として初めての打点を稼いだ。3回、平野の先制タイムリーに続きお手本のような中前タイムリーで貴重な追加点を呼び込んだ。マートンは「打ったのはカーブ。逆らわずに来た球を素直に打ち返すことを心掛けていた。良い形で、良い場面で結果につながって良かった」と満足げ。いまやチームに欠かせないヒットマンが新たな仕事場となる3番でも存在感を示している。

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2010年6月3日のニュース