また新ヒーロー!ロッテ岡田 初安打初打点に2盗塁

[ 2010年6月3日 06:00 ]

4回無死一、三塁、ロッテ・岡田がプロ初安打を巨人先発・ゴンザレスから中堅に放ち、5-1とする

 【ロッテ8-1巨人】強いパ・リーグはロッテがけん引する。2日の巨人戦(千葉マリン)で打線が15安打の猛攻で8―1と快勝。育成選手出身でプロ初スタメンの岡田幸文外野手(25)がプロ初安打初打点に2盗塁の活躍で4連勝に貢献した。この日もパが4勝1敗1分けと勝ち越し、交流戦の順位表上位を独占した。ニューヒーローが次々と誕生。岡田の活躍こそ、パの勢いを象徴していた。

【試合結果


 借りは返した。5月15、16日に敵地で連敗した巨人に連夜の圧勝。今季4度目の先発全員15安打で8得点の打線に新風を吹き込んだのが、プロ初スタメンの岡田だった。「想像以上にドキドキでした。本当に僕ですいません」。お立ち台では緊張で顔がこわばったが、プレーは堂々と交流戦本拠地8戦全勝に貢献した。
 まずは2回2死一塁、再三のけん制をかいくぐってプロ初盗塁を成功。4連打で2点を追加した4回無死一、三塁ではプロ初安打初打点となる中前打を放った。6回には送りバントを失敗も、すぐに二盗を決めてばん回した。
 今季快進撃の原動力だったドラフト1位・荻野貴が右ひざを手術。代役の早坂も負傷離脱してめぐってきた、まさかのチャンス。「こんなに早く1軍に上がれると思っていなかった。平常心で、思い切ってプレーしました」。代役の代役でも臆することはない。前夜、長女・真優ちゃん(3)から「パパ頑張ってね」と電話で勇気をもらっての出陣。バットはもちろん、荻野貴と同じ50メートル走5秒6の快足も存分にアピールした。
 足利ガスの契約社員としてプロパンガスのボンベをトラックで配送しながら、夜は全足利クラブの練習に参加し野球を続けた。08年育成ドラフト6位で指名を受けたが、クラブチーム引退後は足利ガスの正社員が内定していただけに、家族は猛反発。それでも2年だけの約束で由美子夫人(37)と2女を栃木県足利市に残し単身プロ入り。昨年3月30日に支配下選手登録を経て、努力は結実する。育成選手出身では球団初の1軍昇格を果たし「育成の巨人」にひと泡吹かせる活躍で、全国に名を売った。
 「初スタメンで緊張しているかと思ったら堂々としていた」と西村監督。岡田は「これからがスタート。満足しないでやっていきたい」と表情を引き締めた。こんな意外でイキのいい選手が出てくるからロッテ、そしてパ・リーグは強い。

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2010年6月3日のニュース