松坂5回3失点も収穫 レッドソックス王手!

[ 2008年10月5日 06:00 ]

4回を投げ終えベンチでチームメイトとハイタッチをするも複雑な表情を見せる松坂

 【レッドソックス7―5エンゼルス】レッドソックスが王手をかけた。松坂大輔投手(28)は3日(日本時間4日)、アナハイムでのエンゼルスとの地区シリーズ第2戦に先発して5回を8安打3失点で降板。自身に勝敗はつかなかったが、チームは9回にドルーの決勝2ランで連勝。リーグ優勝決定シリーズ進出に王手をかけた。松坂は日本人投手として地区シリーズ初白星はならなかったが、課題のカットボールに手応えを見いだすなど、次回登板に向けてしっかり収穫もつかんだ。

【松坂ジャージ


 両手を何度も叩いて喜びを爆発させた。自身に白星はつかず、投球内容も満足はできない。それでも接戦を制しての地区シリーズ突破に王手をかけた。松坂はとびきりの笑顔でチームメートと勝利を祝った。
 「僕がもう少し中軸を抑えていたら。僕自身のミスの積み重ねがこういう試合展開にしてしまった。本当に苦しい試合だったけど、3戦目に向けてチームとしては素晴らしい勝ち方だった」
 初回に4点を先制してもらい、先頭から7人連続でストライクを先行させる立ち上がりで3回まで1失点。ボールを見極めるエ軍強力打線相手に打順が3回り目となった4、5回は61球を費やした。今季最多タイの8安打を浴びて3失点。それでもリードを保ち救援陣につないだ。「ピンチで1点(最少失点)に抑えられた。長打を許さなかったのが大きい」。18勝3敗のシーズン同様に負けない投球はできた。
 結果に左右されない確かな手応えも指先に残った。曲がりが早すぎてシーズン終盤は不安を残していたカットボール。握り、リリースポイントを試行錯誤していた中で9月28日、シーズン最後のヤンキース戦でA・ロドリゲス相手に投げた際に「やっと使える感覚になった」ポイントを見つけた。その球種をこの試合は25球投じた。3回2死一、二塁では143キロのカッターでハンターを泳がせて遊ゴロ。決め球だけでなく、カウント球にも積極的に使った。今季新しく覚えたシュート。スライダー、チェンジアップとともに、カットボールが加わり変化球への不安は消えた。
 「去年は恐怖心というか、不安だった。自身の調子も悪かったし重圧もあった。結果ばかり求めていた」。だが、今は18勝で得た「自分の投球さえすれば勝てる」という自信がある。そして「今年は楽しんでいる」。昨年見えなかった打者との力関係も輪郭がはっきりしてきた。だからこそ、自分の球に確信さえ持てれば、次の1勝につながると信じられる。
 ドルーの劇的2ランで球団新記録となるポストシーズン9連勝。世界一軍団が第1関門突破へ王手をかけた。「きょうの反省を次の登板に生かしていきたい」と松坂。連覇までの道のりは長い。今は冷静に自己分析し、次への糧とすればいい。

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2008年10月5日のニュース