シュートが生きた 黒田が歓喜の輪の中心に

[ 2008年10月5日 17:32 ]

ナ・リーグ優勝決定シリーズ進出を決め、祝勝会でビールを浴びるドジャース・黒田

 ドジャースにとって20年ぶりのリーグ優勝決定シリーズ進出。黒田は歓喜の輪の中心にいた。連勝で迎えた大一番の重圧をはねのけ、7回途中まで無失点。目に涙を浮かべてナインと抱擁し「目指すところに来て気持ちが高ぶった。終わった瞬間、すごく夢の中にいるような感じがした」。

 武器のスライダーの切れが悪く、打者に見極められた。先発に6人の右打者が並ぶ打線。ピンチで内角をシュートで厳しく突いた。1回2死一、二塁ではソトのバットを折り、三ゴロ。2―0の3回2死一、二塁でも4番を三ゴロに仕留めた。4回無死二塁もしのぎ、流れを引き寄せた。
 右の強打者がシュートに詰まり続けたのは外角に意識があったから。カブスには6月6日に完封勝利し「あのときはスライダーが良かった。それが打者の頭にすごく残っていたんでしょう」。慣れない環境で苦しみ、思い切りよく攻める原点に立ち返れた試合が、正念場でまた、生きた。
 2度目のシャンパンファイト。今回は自ら白星を挙げ、勝ち取った美酒だ。グラウンドに出た黒田は場内マイクを持ち「マイネーム・イズ・ヒロキクロダ。サンキュー」。大歓声で応えたファンの心に、その名は深く刻まれたはずだ。

 ▼ドジャース・トーリ監督の話 黒田は今季よく適応し、きょうも相手を圧倒してくれた。われわれは素晴らしいチームになった。満足している。シカゴで開幕したのが有利に働いた。カブスは今季の好成績が重圧になったはずだ。(共同)

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2008年10月5日のニュース