クルーン悲弾…巨人奪首計画クルった

[ 2008年10月5日 06:00 ]

<巨・中>9回1死、中村紀に3ランを許し降板するクルーン

 【巨人3―4中日】守護神が崩れ、たった1日で首位タイから転落した。巨人は4日、中日と対戦し、マーク・クルーン投手(35)を同点の9回から投入したが、これが大誤算。中村紀に勝ち越しの3ランを献上し、接戦を落とした。阪神が引き分けたため、0・5ゲーム差の2位に後退。残りは5試合。奇跡の逆転Vへ、1つも負けられない戦いが続く。

 頭の中で描いていた勝利へのシナリオは、もろくも崩れた。同点の9回に登板した守護神が自滅し、中村紀に決勝3ランを被弾。勝てば今季初の単独首位となる可能性もあった一戦で痛すぎる黒星だ。ナイターで阪神が引き分けたために、首位タイから2位に転落。原監督は「クルーン?見ての通り。一番強いところに一番いい投手を投入したということ」と厳しい表情で振り返った。
 四球、暴投、被弾。最悪の内容だった。同点ながら相手のクリーンアップを抑えて攻撃への流れをつくるため、原監督は迷わずクルーンを投入。だが、先頭の和田に四球を与え、続く森野もストレートで歩かせた。8月13日の阪神戦(東京ドーム)では先頭からの連続四球で降板させたが、指揮官はベンチを動かず。1死後、中村紀への初球が暴投で二、三塁となり、2球目に投じた真ん中のフォークをバックスクリーン右に運ばれた。
 クルーンが一発を浴びるのは、横浜に在籍していた昨年9月15日のヤクルト戦(横浜)以来、385日ぶり。9試合連続無失点と安定していた守護神が、絶対に落とせない一戦でまさかの大乱調だ。打線は直後の攻撃で1点差まで追い上げたが、あと一歩届かず。降板後はベンチで祈るように戦況を見つめていた右腕は「準備はしていたけど、自分の仕事ができなかった」とうなだれた。
 5日の中日先発は今季1勝3敗、防御率1・73に抑えられているチェンが濃厚。原監督は「また切り替えて頑張る」と言って会見を締めた。せめてもの救いは阪神が勝ちきれなかったために、引き分け数が並び、同率首位で終えた場合は直接対決の結果により、巨人の優勝となる。残り5試合。最大13差からの逆転Vへ、これ以上ない正念場が訪れた。

 ≪グライ 最多勝確実に≫グライシンガーが今季最多の125球を投げ、8回5安打1失点と先発の役割を果たした。2回、先頭の森野に2ボールからのカットボールが甘く入って被弾。「ストライクを取りにいってしまった」と反省したが「終盤まで試合をつくれたのは良かった」と振り返った。勝敗はつかなかったが、現在16勝で2年連続最多勝のタイトル獲得が確実となった。

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2008年10月5日のニュース