岩村逆転王手弾!初体験カーテンコール

[ 2008年10月5日 06:00 ]

ナインとタッチを交わす岩村

 【レイズ6―2ホワイトソックス】レイズの岩村明憲内野手(29)が3日(日本時間4日)、ホワイトソックスとの地区シリーズ第2戦で逆転の1号2ランを放ち、連勝に導いた。日本人5人目のポストシーズン本塁打で、リーグ優勝決定シリーズ進出に王手。連日超満員の本拠地大歓声にうながされ、人生初のカーテンコールも経験した。第3戦は5日(同6日)、敵地シカゴで頼れる背番号1「AKI」が一気のスイープ(3連勝)を狙う。

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 帽子を高々と掲げ、自慢の“トサカ”を胸を張って突き出した。鳴りやまない「アキ・コール」の中、岩村はベンチを飛び出して満場のカーテンコールに応えた。地区シリーズ突破へ王手をかけたのは“モヒカン隊長”の豪快な一振りだった。
 「打球の行方も分からず全力疾走した。本塁打を知らせるホーンの音が聞こえて知りました」
 1点を追う5回1死一塁だ。狙っていた左腕バーリーの外角へ逃げるカットボールをシバき上げた。左中間最深部に飛び込む値千金のポストシーズン初アーチは逆転2ラン。「カーテンコールは初めて。気持ちよかったですよ。あの打席からアキ・コールを起こしてくれて応えられてよかった」と余韻に浸った。
 メジャー通算14本目のアーチ。ヤクルトでは04年の44発をはじめ、3年連続30本塁打以上を記録した長距離砲も「こっちでは1番打者。本塁打を打つ必要はないし、チームが何を求めているのかを常に考えている。球数投げさせたりやることはある」。今季、投手に投げさせた球数は両リーグ通じて3番目だった。大リーグでは14本中8本が左方向へのアーチ。ヤクルト時代から緩い球をギリギリまで引きつけて逆方向へ強く叩く練習を、恩師である“怪童”中西太氏とマンツーマンで徹底的に取り組んできた。強いリストが生む、こだわってきた左方向への飛距離。この日の一発、シーズンでもレッドソックス本拠地の左翼にそびえる高さ11・3メートルの“グリーンモンスター”を2度越えた。メジャーに適応しながらも、持ち味は決して失ってはいない。
 「アキの一打が大きかった。賢い選手だし、優れた1番打者に適応してくれた」とマドン監督は手放しで称えた。「次の試合を勝って1日も早く終わらせたい。みんなにこの先を見せてあげたい」。大声援にスイープを誓った岩村。さらなる高みへ向かい、その歩みは力強さを増すばかりだ。

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2008年10月5日のニュース