執念ドローで半歩前進 岡田監督ヤジに激怒

[ 2008年10月5日 06:00 ]

<ヤ・神>グラウンドを出る岡田監督

 【阪神2―2ヤクルト】3時間54分の激闘の結末はドロー。負けなかった。でも8度目のマジックを点灯させることはできなかった。厳しい虎党はこれでは満足できなかったようだ。グラウンドを引き揚げる阪神・岡田監督に厳しいヤジが飛んだ。

 「先発もっと引っ張らんか!中継ぎがしんどいやろ。お前なんか選手の信頼失っとるんや」。これに指揮官が応戦する。「誰に向かって言うとんや。言い方あるやろ!」。広報が慌てて静止するほどの剣幕で声を荒らげた。巨人が負けたために単独首位には立ったが、後味は悪かった。
 打てなかった。ヤクルト先発の加藤からは4回までで2点を奪ったが、2番手以降にてこずった。2―2の6回1死満塁では、代打・葛城が空振り三振に倒れ、赤星が投ゴロ。9回、11回と先頭打者が出塁し、ともに1死二塁の勝ち越し機をつくりながら、ここでもあと1本が出なかった。「打てない? それしかないやろ。点が入らへんねんやから」と、岡田監督はまくしたてた。
 前日に痛い逆転負けを喫した救援陣は、必死に粘った。アッチソン、藤川が2回ずつを投げ、ウィリアムスが1回。6回から11回まで、無安打に抑えた。特に前日に救援に失敗した藤川は150キロを超す速球を連発し、2回をパーフェクト。「全員が思っていると思うが、1回やられて“なめるなよ”という感じだった」と、熱い言葉で投手陣の思いを口にした。
 デーゲームで巨人が敗れていただけに勝ちたかったが、半歩前進には違いない。5日に勝って、巨人が負ければマジック4が点灯する。ゴールはかすかながら、すぐそこに見えている。

 ≪アニキまた勲章 1270得点≫金本が4回の先頭で右前打。その後、鳥谷の中前打で同点のホームを踏んだ。これが通算1270得点目で歴代10位の長嶋茂雄氏に肩を並べ、プロ17年目でまたひとつ勲章を増やした。アニキと同じく新井も4試合連続安打となる2安打。これで故障から復帰後4試合で17打数9安打だ。それでも勝利にはつながらず試合後は「もうあしたです。あした、あした。あしたしかないでしょう」と繰り返した。

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2008年10月5日のニュース