佐藤義則以来…岩隈 23年ぶり21勝目

[ 2008年10月5日 20:59 ]

ソフトバンク戦に先発した楽天・岩隈

 【楽8―0ソ】楽天の岩隈が6回3安打無失点の危なげない投球で21勝目を挙げた。シーズン21勝は、1985年の佐藤義則(阪急)以来、プロ野球23年ぶり。4年ぶりの最多勝が確定している岩隈は、防御率を1・87としてダルビッシュ(日本ハム)をかわしてリーグトップとなったほか、勝率も8割4分に伸ばして同率で並んでいた小松(オリックス)を振り切り、投手部門3冠を確実にした。パ・リーグでは斉藤(ソフトバンク)が2006年に投手部門4冠を達成している。

 9回2死一塁から田上が二飛に倒れ、岩隈の21勝目が確定した。ベンチで勝利を見届けた右腕は「本当にこの数字が残るとは」。シーズン21勝は、1985年の佐藤(阪急=現オリックス)までさかのぼる。四半世紀近く越えられなかった壁を、下位に低迷する楽天のエースが乗り越えた。

 21勝目に加え、防御率と勝率のタイトルを懸けてのマウンド。試合前の時点で、防御率はダルビッシュ(日本ハム)と0・05差の2位。5回以上を無失点という厳しい条件だったが、散発の3安打、二塁さえ踏ませない好投で6回まで0を並べ、3冠を確定させた。

 最多勝は4年ぶりだが「自分が勝てばいいや、という気持ちは、もうない」と言う。2005年に楽天へ移籍した際、背番号と同じ21勝を目標に掲げたが、待っていたのは故障との闘い。チームに貢献できないもどかしさと向き合う中で、個人記録へのこだわりは薄くなった。「1年間ローテーションを守ることが目標だった。数字は気にせず、やってこられた」。精神的な成長の先に、記録ずくめのシーズンが待っていた。

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2008年10月5日のニュース