劇勝!石井一もう5勝!西武止まらない

[ 2008年5月7日 06:00 ]

<西武・日本ハム>9回2死一、三塁、金子誠を三振に取った石井一はグラブを叩いてガッツポーズ

 【西武3―1日本ハム】この強さは本物だ。ゴールデンウイーク最終日の6日、西武は延長突入濃厚の9回2死からヒラム・ボカチカ外野手(32)が劇的なサヨナラ弾。2位の日本ハムを下して3連勝を飾った。移籍後初完投の石井一久投手(34)はハーラートップタイの5勝目をマーク。前日の6点差逆転勝利など劇勝続きのチームは、貯金を今季初めて10の大台に乗せた。2位とは4ゲーム差。西武特急が独走態勢に入った。

 その瞬間、背番号61は真っ先にベンチを飛び出した。本塁ベース上、ボカチカの手荒い祝福の輪が解けるとヒーローと熱く抱き合った。ハーラートップタイの5勝目。石井一がお立ち台に上がると西武ドームは恒例の“カズ劇場”となった。
 「プロで17年やっているけど、一番うれしい勝利でしたね。ゴールデンウイーク最終日?きょうは晴れてよかったですね。最終日ですけど、家に帰るまでは油断しないでください」
 今季最多となる貯金10をもたらしたのは左腕の快投だった。序盤から直球が走り、カットボールもコーナーに決まった。4回1死一塁、スレッジの打球をボカチカが後逸(記録は三塁打)して1点を失ったが踏ん張った。9回1死一、二塁では小山を一ゴロ。金子誠には119球目にしてこの日最速タイの144キロ直球で空振り三振に仕留め、左手でグラブを激しく叩いて珍しくガッツポーズを見せた。「いつも野手に助けてもらっているから、きょうは僕が頑張る番だと思った」。志願の完投で1失点。1回に1枚着替えるアンダーシャツも完投用に9枚持ち込んでおり「最近いつ完投してもいいように持ってきています」と笑った。
 ボカチカは02年、ドジャース時代の同僚。「まさかまた一緒にやるとは思わなかった」と驚きながらも、来日直後は真っ先に食事に誘った。「米国では僕も悩みがあったので、彼の気持ちは分かる。結果が出て僕もうれしい」と劇的な1本を自分の勝利以上に喜んだ。
 チーム37試合目での5勝は、自身シーズン最多の14勝を挙げた98年(45試合目)を上回るハイペースだ。本来は登板2日前にブルペン入りするが、4月12日、ソフトバンク戦で5回1/3を5失点と乱調。「2日前ブルペンだと疲れが残る」と3日前ブルペンに変更。柔軟な姿勢が好結果にもつながっている。渡辺監督は「きょうは一久で勝負に出た。ボールも来ていたし気持ちの入った投球をしていた」と絶賛した。
 5勝はオール本拠地。「都内から車で来ると、着くころに体が目を覚ますんです」と笑った。周辺はGW渋滞が続く中、お気に入りの推理ドラマ「古畑任三郎」のDVDを観賞しながら球場を後にした。

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2008年5月7日のニュース