ヤ軍ファンがレ軍ファンひき殺す

[ 2008年5月7日 06:00 ]

 ヤンキースファンの女性が宿敵レッドソックスファンの男性を車でひき殺し、第2級殺人罪で訴えられていることが5日(日本時間6日)判明した。自称ヤ軍ファンのイボンヌ・ヘルナンデス容疑者(43)は2日にレ軍ファンのマシュー・ボドンさん(29)らと米ニューハンプシャー州の酒場の外で激しい口論となり、車を急発進させ死亡させた。チームへの過剰な愛着心が、ショッキングな殺人事件へと発展してしまった。

 事件は2日早朝、ボストンから北西約70キロに位置する人口約9万人のニューハンプシャー州ナシュアで起きた。ナシュアはレ軍ファンが多く横浜などでプレーした矢野が所属する独立リーグ「ナシュア・プライド」の本拠地としても知られる。
 証言を総合すると、ボドンさんら被害者グループが行きつけのバーの外で用を足していた女性従業員を笑ったのが事の発端。バーをはしごして酔っぱらっていたヘルナンデス容疑者が自分が笑われたと勘違いし、一緒にいた1人の顔面を殴ったという。仲間がやられ、被害者グループも応戦。口論の末につかみ合いとなり、最後はヤンキースのステッカーが張られている容疑者の車を見て「Yankees suck(ヤンキースくたばれ)」と連呼した。これが容疑者の逆鱗(げきりん)に触れ、凶行に至ったという。
 容疑者は自身のダッジ社製の車に乗り込み被害者グループ目がけて急発進。約61メートルの距離を猛スピードで走ってきた車は友人女性らの盾となったボドンさんをはねた。頭からフロントガラスに激突したボドンさんは病院に搬送されたが頭部の外傷と大量出血で死亡。女性1人も軽傷を負った。逮捕後にアルコール検知器でのテストを拒否した同容疑者は「脅かそうと思ってやった。彼らはよけると思った」と供述しているが、検察は「ブレーキを踏むことなく突っ込んだ」と説明した。
 ライバル球団のファンのトラブルから発展した前代未聞の悲劇。容疑者は第2級殺人罪で訴えられており、被害者の妹のフェースさんは「彼女も母親なのに子供をあやめるなんて。なぜあんなに優しい兄を…。これからは毎日暗くて寒いろう屋の中で、フロントガラスを突き破ってくる兄の顔を思い出し反省しながら衰弱してほしい」と泣きじゃくった。次に両軍が対戦するのは7月3日からのニューヨークでの3連戦。とんだ“場外乱闘”が伝統の一戦に暗い影を落とした。

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2008年5月7日のニュース