サーフィンにゴルフ、ロス五輪からハーバードまで 五十嵐カノアが「大事にしている」こと
五輪
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サーフィン男子で21年東京五輪銀メダルの五十嵐カノア(27)が、24日までにスポニチの単独インタビューに応じた。
2016年にプロ最高峰のチャンピオンシップツアー(CT)に初参戦してから節目の10シーズン目だった今季は、年間総合7位でフィニッシュ。スロースタートから徐々に上げ潮へ。そして最後はまさかのワイプアウト――。激動だった1年を表現すれば、そんな具合になる。
最初の4戦はベスト8止まりだったが、オーストラリアでの第5戦で準優勝。続く第6戦もベスト4まで進出すると、ロス五輪の競技会場に決まった米カリフォルニア州ローワートレッスルズでの第8戦では再び2位。22年以来となる、年間上位5人によるファイナルズ進出が、確実視される状況だった。
だが、年間ランキング3位に付けて迎えた最終第10戦。オープニングラウンド2位で敗者復活戦に回ると、運に見放されたかのように全く波に恵まれることなく、敗退。ファイナルズ進出は他の選手の結果待ちとなる中、1人、また1人と抜かれ、7位で道は断たれた。ほぼ手中にしていたチケットは、あっけなく他の選手の手元へと逃げていった。
あの時、どんな気持ちだったのか。「トップ5に入れなかった時は落ち込んで。1時間くらいは落ち込んで」。大事な最終戦前には、地元の米カリフォルニア州ハンティントンビーチで行われたUSオープンに出場。ただ強行軍の影響や不運を言い訳にせず、ベクトルを自分自身に向けるところがカノアらしい。「4番、5番(に入れない)のことで、なんでムカついているんだろうと。(目指しているのは)1番。シーズンの最初から1番になっていれば良かった。1時間で切り替えて、その日から来年の練習をスタートした」
今年7月には来季のCTフォーマットが発表され、ファイナルズが廃止され、レギュラーシーズン10戦、ポストシーズン2戦の計12戦で年間王者を争う方式となった。開幕は4月と例年より3カ月遅く、練習やトレーニングに費やす時間は十分にある。「ジムトレーニングもそうだし、サーフィンも集中する感じで。(休みとの)バランスを大事に」と計画を立て、来たる26年に備えている。
もちろん半年後の開幕まで、根を詰めているばかりでは心も体ももたない。カノアにとって最高の息抜きになっているのが、12歳頃に開始したというゴルフだ。現在は週に1回のペースでラウンドしており、「トレーニングは毎日サーフィンがメインだけど、週に1回(ゴルフを)やることで、リセットできて、また新しい1週間を頑張ろうと力が出る。大事にしている」と心身に相乗効果をもたらしているようす。21日には、今年からサポートを受けるテーラーメイドの「Heritage―90」に、25年秋冬コレクションが登場。「最高のコレクション。ゴルフとファッションが絡む(融合する)のは初めて見た。世界のニーズに合っていると思う」と早くもお気に入りになっている。
23年9月からハーバード大の経営大学院であるハーバード・ビジネス・スクールで学んでいたが、すでに修学を終え、「いい経験になった。一生持っていく経験になった」と話す。チョープー(仏領ポリネシア・タヒチ島にある世界最難関スポット)で行われた昨年のパリ五輪ではメダルを逃したが、生まれ育ったカリフォルニアが舞台となる3度目の五輪へ、全精力を注ぐ態勢を整えたことになる。
「子供の時からトレッスルズでやっていて、今年も(CT第8戦で)ファイナル(決勝)まで行った。ナショナルチャンピオンにもなったし、ジュニアのイベントでも優勝している会場なので、毎回自信を持って(波に乗れて)いる」。自宅と目と鼻の先の距離にあるハンティントンビーチは競技会場誘致争いで敗れたが、ローワートレッスルズもまた、カノアにとってはホームブレイクだ。「トレッスルズも地元みたいな感じ。波はいつも同じで、確率がいい。波次第ではなく、パフォーマンスで点数が出る波なので、楽しみ」
メダルの奪還、そして東京ではあと一歩で逃した金メダル獲得へ。26年も世界を飛び回り、夢をかなえるための足場を固めていく。
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