【世界相撲】池田俊が日本勢10年ぶりの連覇!竹内宏晟は初の世界一 三輪隼斗と奥谷英宗は銅メダル

[ 2025年9月16日 08:09 ]

世界相撲選手権で団体優勝した男子日本代表の(前列左から)三輪隼斗、竹内宏晟(後列左から)熊谷颯天、奥谷英宗、池田俊(日本選手団提供)
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 世界相撲選手権が14日、タイ・バンコクで開催された。大会最終日は、5階級に分かれた個人戦と3人制の団体戦が男女それぞれ行われた。個人戦で男女合わせて金メダル3個、銀メダル2個、銅メダル4個を獲得。団体戦は男女ともに日本が制し、2010年以来15年ぶりのアベック優勝を成し遂げた。日本選手団は16日朝、羽田空港に帰国した。

 男子軽量級(85キロ未満)は、日体大出身の奥谷英宗(27=練馬石泉相撲クラブ)が初めて出場した。初戦の相手は、昨年日本代表の和宇慶一騎を初戦で破っているコニエハ・エドボー(アメリカ)。鋭い出足や足技を持ち味とする相手に対して、奥谷は立ち合い潜って中に入ると右で下手、左で足をつかんで持ち上げてつり出した。続く準々決勝は、アブドラーゼ・ゲオルギ(キルギス)と対戦。一度は右を深く差して中に入ったが、右脇に頭を入れられるとじわじわ起こされて寄り切りで敗れた。その後は敗者復活戦を2回勝ち上がって3位決定戦へ。アゼルバイジャンの選手に中に入られて肩越しの両上手となる場面もあったが、巻き替えて右四つに持ち込むと最後は相手のうっちゃりをこらえて寄り倒した。異議申し立てがついたが主審判定通り。初めて臨んだ世界の舞台で見事にメダルを獲得した。

 大会を終え「想像以上に、表彰台に上がること自体が難しいんだなと思った」と世界のレベルの高さを実感。日本勢の軽量級では中村友哉(現幕下・炎鵬)以来10年ぶりとなる世界一を狙っていただけに、準々決勝で負けた直後は「優勝がないんだと思ったらメンタルが崩壊した」とショックを受けた。それでも、日体大の先輩で軽重量級代表の三輪隼斗(30=ソディック)から「メダル獲ると獲らないでは天と地の差だぞ」と声を掛けられて発奮。国際大会で何度も表彰台を経験している偉大な先輩の言葉が力となり「日本のみんなのために執念で取った」と銅メダルをつかみ取った。

 軽量級決勝は、準々決勝で奥谷を破ったアブドラーゼ(キルギス)と、過去3度の優勝を誇るセミクラス・スビャトスラブ(ウクライナ)が対戦。セミクラスは中に入られて攻め込まれたが土俵際粘って同体取り直しに持ち込み、今度は先に攻めて左を深く差してのすくい投げで2年ぶり4度目(2023年コンバットゲームズを含めると5度目)の世界一に輝いた。

 男子中量級(100キロ未満)は、熊谷颯天(日大2年)が初出場。初戦でクリスティン・アナトミー(ウクライナ)と対戦し、激しい押し合いから突き出しで敗れた。敗者復活戦に回ったが、そこでもジョージアの選手に押し倒しで敗れた。父は1994年と1995年に同階級を制した元小結・海鵬の熊谷涼至氏。史上初の親子世界一を目指して臨んだが、初めての世界の舞台で白星を挙げることはできなかった。決勝は、熊谷を破ったクリスティンとガンボルド(モンゴル)の対戦に。ガンボルドがすくい投げで勝って初優勝を果たした。

 男子軽重量級(115キロ未満)は、三輪隼斗(30=ソディック)が3年連続5度目の出場。持ち味の低い攻めを見せ、初戦は台湾の選手を寄り倒し、準々決勝はアメリカの選手を押し出しで下した。準決勝は、スタンコビッチ・シモン(ブルガリア)と対戦。圧力のある突き押しに後退するとはたき込みで敗れた。3位決定戦の相手は、8月の大阪万博「SUMO EXPO」大学生トーナメントにも出場していたユシホフ・ジャビット(アゼルバイジャン)。三輪が立ち合い低く当たって下からおっつけて前に出て押し出し、3年連続の表彰台を死守した。決勝は、三輪を破ったスタンコビッチと過去3度の優勝経験を誇るバドラル(モンゴル)の対戦に。バドラルが相手の突っ張りをしのいで引き落とし、2年連続4度目の優勝を果たした。

 男子重量級(115キロ以上)は、昨年3位の竹内宏晟(26=三重県)が2年連続の出場。初戦はアメリカの選手を押し出し、準々決勝はハンガリーの選手を突き出し、準決勝はポーランドの選手を押し出しで下した。決勝は、昨年優勝のジェラーゼ・ラシャ(ジョージア)と対戦。鋭い立ち合いから一気の電車道で押し出し、世界一に輝いた。4試合全て一丁押しのように立ち合いから相手に何もさせず一気に押し出す完勝。基本に忠実な押し相撲で世界の頂点に立った。

 鳥取城北高―日大時代は全国優勝の経験がなかったが、社会人になってからも成長を続けて複数回の全国優勝、そしてついに世界一に。「表彰式でメダルもらった時はうるっと来ました。去年の悔しい気持ちもよみがえってきて、今年は金メダルを獲れたことが凄くうれしかった」と感慨を込め「去年は緊張で頭が真っ白だったけど、今年は楽しんで納得いく相撲が取れた」と振り返った。地元・三重県の志摩市役所に勤めており、普段は志友館道場の土俵を使って一人で練習しているという。本格的な実戦稽古は、休日を使って母校の日大へ出稽古に行くなど限られた機会でこなしてきた。「一人だから勝てないと言い訳にしたくない。一人でも自分次第で結果を残せると証明したい」。信念を貫いて世界の頂点にたどり着いた。

 男子無差別級は、昨年優勝の池田俊(23=ソディック)が2年連続の出場。初戦はアメリカの選手の左四つに組み止めて寄り倒し、2回戦はウズベキスタンの選手をもろハズで押し倒しで下した。準決勝の相手は、日体大2年で今季大学2冠のバヤルボルド(モンゴル)。昨年の全日本選手権準決勝以来の対戦となり、左四つでまわしが取れない体勢から左ですくっておいての右突き落としで勝負を決めた。決勝は、一昨年優勝のベレシウク・オレクサンドル(ウクライナ)と対戦。大きな相手に抱えられて土俵際に詰まる場面もあったが、もろ差しで攻め返して寄り切り、見事に2連覇を達成した。

 日本勢の連覇は、軽量級で2014、2015年と優勝した中村友哉(現幕下)以来。「(金沢学院大の)偉大な先輩の記録に並べて光栄です」とした上で「もし来年出られたら、超えられるように頑張りたい」と3連覇を見据えた。無差別級に限れば連覇は日本史上初の快挙。昨年全日本選手権で連覇を達成した日本のアマチュア最強選手が、世界でも名実ともに無敵の存在となった。今後は21日の全日本実業団選手権、29日開幕の国民スポーツ大会、そして11月30日の全日本選手権に出場予定。「年内は全日本3連覇を目指してやっていこうと思います」と次の目標を見定めた。

 ▽男子軽量級(80キロ未満)
優勝 セミクラス・スビャトスラブ(ウクライナ)
2位 アブトラーゼ・ゲオルギ(キルギス)
3位 奥谷英宗(日本)
3位 ティブリシオ・ダ・シルバ・ジェニトン(ブラジル)

 ▽男子中量級(100キロ未満)
優勝 エルデネスレン・ガンボルド(モンゴル)
2位 クリスティン・アナトミー(ウクライナ)
3位 ブラゴエフ・イヴァン(ブルガリア)
3位 アブドラーゼ・コンスタンティン(キルギス)

 ▽男子軽重量級(115キロ未満)
優勝 バドラル(モンゴル)
2位 スタンコビッチ・シモン(ブルガリア)
3位 ドンガック・スルデ(キルギス)
3位 三輪隼斗(日本)

 ▽男子重量級(115キロ以上)
優勝 竹内宏晟(日本)
2位 ジェラーゼ・ラシャ(ジョージア)
3位 ハンガイ・ナランバヤル(モンゴル)
3位 リンカ・マテウズ(ポーランド)

 ▽男子無差別級
優勝 池田俊(日本)
2位 ベレシウク・オレクサンドル(ウクライナ)
3位 バットヤッグ・バヤルボルド(モンゴル)
3位 デイビスウィリアムス・ドミナス(アメリカ)

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