安青錦 初土俵から12場所目の最速金星 ウクライナ出身「自分の相撲で元気になってくれたらうれしい」

[ 2025年7月16日 04:30 ]

大相撲名古屋場所3日目 ( 2025年7月15日    IGアリーナ )

<大相撲名古屋場所3日目>豊昇龍(手前)を渡し込みで破った安青錦(右)(撮影・奥 調)
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 ウクライナ出身の平幕・安青錦(あおにしき)が横綱・豊昇龍を渡し込みで撃破し、初金星を獲得した。初土俵から12場所目での金星獲得は、付け出しを除けば年6場所制となった1958年以降で最速記録。豊昇龍は新横綱場所から3場所続けて2日連続の金星配給となった。新横綱・大の里は若元春を押し倒して3連勝。大関・琴桜は小結・高安の上手出し投げに屈して黒星先行と苦しい序盤となった。

 前日の若元春の金星では飛ばなかった座布団が激しく舞った。「危険ですから、座布団は投げないでください!」。新会場で初めて危険行為を制止する館内放送が流れる中、安青錦は淡々と花道を引き揚げていった。支度部屋では床山とグータッチで喜びを分かち合うと「うれしいですね。体が動いて良かった」と流ちょうな日本語で喜びを現した。

 師匠の安治川親方(元関脇・安美錦)によると結びで取ることは「夢」だという。前日の大の里戦で夢はかなったが、何もさせてもらえずに完敗。「ショックだった」と漏らす。だが、「(勝つイメージをつくって臨むように指導する)師匠の言葉を信じてやった」と気持ちを切り替えた。立ち合いからレスリング仕込みの低い姿勢を崩さず、右を差し込んで豊昇龍の投げに対抗する。左で相手の右太腿をつかむと払うように転がした。

 2年前の名古屋で新弟子検査を受検。秋場所の初土俵から12場所3日で金星を獲得した。年6場所制では小錦の14場所11日を更新する最速記録。「(金星は)ウクライナにいるときから知っていた」と明かし「(入門当時は)できるとは思っていなかった。信じられなかった」と夢心地の表情だ。

 22年4月、母国ウクライナから戦火を逃れて来日して3年。歴史的快挙に「自分の相撲を見て人々が元気になってくれたらうれしい」と祖国愛をのぞかせる。デビューから負け越しなしの21歳。初の上位総当たりの場所で1横綱1大関を撃破と勢いは止まらない。「自分の相撲を取り切ること。これから長いので一日一番しっかりやっていきたい」。衝撃の最速金星は新たな伝説の序章に過ぎない。 (黒田 健司郎)

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