「楽しむことができた」団体銀の16歳・張本美和「あの色のメダルが欲しい」黄金の輝き求め4年後へ

[ 2024年8月11日 02:30 ]

パリ五輪第16日 卓球 ( 2024年8月10日    パリ南アリーナ )

<パリ五輪 卓球女子団体決勝>銀メダルを胸に笑顔の(左から)平野、早田、張本美(撮影・小海途 良幹)
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 女子団体戦の決勝が行われ、日本は中国に0―3で敗れて銀メダルとなった。悲願の金メダルには届かなかったが、12年ロンドン銀、16年リオ銅、21年東京銀に続く4大会連続表彰台。中国が5連覇を達成した。

 16歳・張本美和(木下グループ)の夢舞台が終わった。中国との頂上決戦。早田ひな(日本生命)と組んだ第1試合のダブルスで何度もスーパープレーを披露し、あと一歩まで世界1位ペアを追い詰めた。第3試合のシングルスも世界3位の王曼昱から第1ゲームを奪うなど奮闘した。

 「毎試合毎試合、緊張して。でも全試合、楽しむことができた。先輩のおかげで自分のプレーを最初から最後までできて、凄くいい大会でした」

 2歳で卓球を始め、常に5歳上の兄・智和が前を走ってきた。小学生になると成績などで比べられる機会が増え「やりたくない」と思うことも増えた。美和にとっての卓球は「両親とお兄ちゃんがやっていたので、何となく」という程度。それでも、小学1年で全日本選手権バンビの部(小学2年以下)、小学5年で同ホープスの部(小学6年以下)を制した。逸材を周りが放っておくはずはなく、神奈川にある木下アカデミーから誘いを受けた。

 生まれ育った仙台にとどまるのか、離れるのか。地元に多くの友だちがいたこともあり気持ちは揺れたが、最後は「ここで行かなかったら後悔する」と上京を決意した。「最初から夢は五輪だったけど、昔は“無理だったらいいや”ぐらい。でも、中1ぐらいから“絶対に行きたい””金メダルを獲りたい”ってなってきた」。卓球で世界一を目指す覚悟を決めた。

 かつて比較されて悩んだ兄をパリの成績では超えた。「お兄ちゃんの試合も、負けてしまった部分はあるけど、素晴らしかった。本当に感動しました」。兄の激闘を胸に刻み、決戦のコートに立っていた。

 黄金の輝きには、あと一歩届かなかった。「この銀メダルを首にかけて、隣で中国選手が金メダルをかけているのを見て、自分もあの色のメダルがほしいなと感じた。4年後のロサンゼルス五輪では金メダルがほしいなと思いましたし、次の五輪ではシングルスも出たい気持ちがあるので。頑張ります」。16歳の夏の経験が、有形無形の財産になる。

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