レスリング・高谷大地「もう最高です」笑顔と涙の銀メダル!フォール負けも全身で「楽しんだ」29歳初五輪

[ 2024年8月11日 02:59 ]

パリ五輪第16日 レスリング ( 2024年8月10日    シャンドマルス・アリーナ )

銀メダルを獲得し、スタンドに駆け上がりガッツポーズをする高谷(AP)
Photo By AP

 男子フリースタイル74キロ級の高谷大地(29=自衛隊)が10日、決勝でラザンベクサラムベコビッチ・ジャマロフ(ウズベキスタン)にフォール負けし銀メダル獲得となった。五輪3大会連続出場の兄・惣亮が立てなかった五輪表彰台。金メダルには届かなかったが、快進撃で駆け上がり全身で楽しんだ29歳初五輪で、今大会レスリング男子に4つ目のメダルをもたらした。

 自信を持って乗り込んだ初五輪の地・パリ。それでも自分でも驚きを隠せない快進撃で決勝まで駆け上がった。準決勝進出を決めた際には「マジで?やばっ!」。勢いは止まらず、準決勝でも第1シードを撃破した。

 一夜明けて行われた決勝。最後まで攻め続けるスタイルを貫いたが、第1ピリオドにタックルからバックを取られ失点すると、そのままお互いグラウンドの攻防に。フォールを狙う相手に耐え続けたが、無念のフォール負け。チャレンジも失敗し銀メダルが確定した。

 マットの上で頷いた高谷が、ジャマロフを高々と抱え上げ称えるとスタンドからは大きな拍手が沸いた。その後はスタンドに駆け上がり妻だけでなく、各国のファンと記念撮影。最後まで高谷らしく。「決勝でフォール負けするのも僕らしいかなと思いました。もう最高でした。こんないい経験が人生の中でできたことが本当に幸せでした」。笑顔から一転、ここまでの道のりを思い返し、涙があふれだした。

 「本当につらい…24年のレスリング人生だったなと。そして最後に濃い自衛隊で闘った7年だったなと、いろんな思いがこみ上げてきました」

 パリ五輪内定が決まった際に「自分が五輪に出るなんて、普通に不可能なことだと思っていた。一つずつ積み重ねて結果に結びついたので、純粋にうれしい」と素直な思いを語っていた高谷。12年ロンドン大会から3大会連続で五輪に出場し、今大会は86キロ級代表争いで石黒隼人(自衛隊)に敗れた「タックル王子」こと兄の惣亮が届かなかった五輪の表彰台を目指した闘いは、自分の全てを出し切り、五輪を体の全てで楽しみ、金メダルにあと一歩の銀メダルで幕を閉じた。

 ◇高谷 大地(たかたに・だいち)1994年(平6)11月22日生まれ、京都府出身の29歳。兄の影響で小1から競技を始める。京都・網野高から拓大に進み、13年全日本選抜60キロ級で初優勝。14年の世界選手権は65キロ級で初出場し7位、昨年は74キロ級で10位だった。自衛隊所属。1メートル66。3兄弟の三男で、次兄は五輪3大会連続代表の惣亮。

続きを表示

この記事のフォト

「羽生結弦」特集記事

「テニス」特集記事

スポーツの2024年8月11日のニュース