【ラグビーW杯】ジョセフHC 7年間の旅「誇り」 今大会限りで退任 初陣の相手アルゼンチンに敗戦

[ 2023年10月9日 04:45 ]

ラグビーW杯フランス大会1次リーグD組   日本27―39アルゼンチン ( 2023年10月8日    ナント )

<日本・アルゼンチン>姫野と抱き合うジョセフヘッドコーチ(撮影・篠原岳夫)
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 16年秋に就任したジョセフ・ヘッドコーチ(HC)の旅路が終わった。くしくも初陣の相手だったアルゼンチンに食らい付いたが、最後は力尽きた。「これ以上のことは求められない。選手は全力を出してくれた」。泣きはらす選手たちを横目に、落ち着いた口調で指揮官として最後のインタビューに答えた。

 19年大会で史上初の8強入りへと導く手腕を発揮。最初の3年間はコミュニケーション不足による選手の反発、成績不振による解任危機を乗り越え、この4年間は強化の速度が上がるはずだった。だが新型コロナの影響で、20年は一切の活動が停止。現有戦力の強化や新戦力の発掘が遅れた結果が、前回大会経験者を計14人も選ばざるを得なかった世代交代の遅れを招いた。

 19年は2月から長期合宿を張り、直接指導の下で選手強化とチームづくりを並行したが、今大会は6月からのわずか3カ月という突貫工事で本番に臨んだ。6月の浦安合宿で、選手らが「過去一番きつい」と口をそろえたタックル練習を敢行したのも、サンウルブズが消滅し、より高いレベルの試合経験ができなかったため。4年前は最初の1カ月でじっくり取り組んだオフロードパスのスキルも消えうせ、今大会はほとんど見られなかった。

 それでもジョセフHCは、「監督はいろんな状況に対応しないといけない」と言い訳しなかった。当初は27年までの続投を望んだものの、かなわずに去る誇り高き元オールブラック。「このチームを誇りに思う」と繰り返し、日本に別れを告げる。

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