【ラグビーW杯】会場広告に「辛口」 あのビールを大々的に宣伝できないワケ

[ 2023年9月9日 14:28 ]

ラグビーW杯フランス大会1次リーグA組   フランス27―13ニュージーランド ( 2023年9月8日    サンドニ )

ラグビーW杯開幕戦でひときわ目を引いたのが、漢字で「辛口」とだけ書かれた広告(ロイター)

 節目の10回目を迎えた大会が開幕し、開催国フランスが過去3度優勝のニュージーランドを27―13で破り、悲願の初優勝へ白星発進を決めた。

 この日、約7万8000人を集めたパリ郊外サンドニにあるフランス競技場のサイネージ広告でひときわ目を引いたのが、漢字で「辛口」とだけ書かれた広告。そう、日本でおなじみのアサヒビールの主力商品「スーパードライ」を想起させ、カラーリングも銀色の背景に黒色の文字だった。

 同社は21年4月、W杯フランス大会におけるアルコール飲料やアルコールテイスト飲料カテゴリーのワールドワイド・パートナー契約を締結。9つの会場やファンゾーンではスーパードライやノンアルコールビールを独占販売している。当然、本来は「ASAHI SUPER DRY」の広告も掲出されるはずだが、そこにはフランスならではの事情がある。

 同国には91年に制定されたスポーツ施設などでのアルコール飲料の販売、広告などを原則禁ずる法律、通称エヴァン法が存在。特例的に販売は可能となったが、広告掲示は認められず、「辛口」のみの掲示になったとみられる。サイネージ広告には「辛口」の他にも、「0・0% SUPER TRY」の文字も時折出現した。

 同法はフランス国内でもたびたび賛否が取り沙汰されている。国内メディアによれば、来年のパリ五輪では各会場一般エリアではアルコール飲料の販売が行われないものの、VIPエリアでは提供される見通しで、賛否両論が噴出している。

続きを表示

「羽生結弦」特集記事

「テニス」特集記事

2023年9月9日のニュース