【バスケW杯】逆転の日本!15点差から伝説刻んだ 48年ぶり五輪切符王手

[ 2023年9月1日 05:30 ]

バスケットボール男子W杯順位決定リーグO組   日本86-77ベネズエラ ( 2023年8月31日    沖縄アリーナ )

大逆転勝利を喜ぶ渡辺(左)と比江島(ロイター)

 順位決定リーグO組で、世界ランク36位の日本は同17位のベネズエラに86―77で劇的な逆転勝利を収め、1次リーグからの通算成績を2勝2敗とした。2日の最終戦で同64位のカボベルデに勝てば文句なし、負けても他カードの結果次第でアジア最上位が決定し、パリ五輪切符を手にする。開催国枠ではない自力で五輪出場を決めれば、76年モントリオール大会以来48年ぶり。また、W杯の同一大会2勝は67年ウルグアイ大会以来、56年ぶり2度目の快挙となった。

 ミラクルが起きた。いや起こした。第4Q残り8分12秒で最大差、15点のビハインド。崖っ縁の状況で、比江島が覚醒した。立て続けに3点シュートを沈め、ジャンプシュートでも加点。1点差に迫った残り1分55秒にはファウルを受けながらレイアップを決め、直後のフリースローも成功した。土壇場で逆転。残り47秒にはとどめの3点シュートを沈めた。第4Qだけで17得点と爆発し、両チーム最多23得点。「相手は絶対に足が止まる。最後に自分たちの時間が来ると信じていた」と汗を拭った。

 大学時代に代表デビューし、10年以上チームをけん引してきた。5戦全敗に終わった前回19年大会は「自信を失った夏」とショックを受けた。東京五輪後に同世代の選手が去る中、チーム最年長33歳になっても代表にこだわる理由は「世界で勝ちたいから」。代表選考レース中は十分なプレータイムを得られなかったが、経験を買われてメンバーに滑り込んだ。ホーバス監督は「マコ(比江島)はゲームチェンジャー。いつもこのくらいやってほしいね」と笑った。

 ベネズエラは1次リーグで主力2人が故障離脱し、プレーできたのは10選手だけ。平均年齢は出場チーム最高の32歳で、しかも2日連続の試合だった。中1日で平均年齢26・4歳の日本は日程的にも有利だったが、開始からミスが目立ち前半を終えて5点のビハインド。第3Qも引き離されたが、最後は完全に相手の足が止まった。1次リーグのフィンランド戦は最大18点差を逆転。後半のスコアはドイツ、オーストラリアを含めた全4試合で上回っており、逆転は必然だった。

 開幕直前に右足首を捻挫した大黒柱の渡辺は満身創痍(そうい)の状態で最多38分出場。21得点、8リバウンドをマークした。4年前の順位決定リーグ初戦はニュージーランドにW杯史上ワースト失点の81―111で大敗。「日本代表として恥」と吐き捨てたが、この日は「このチームは凄く誇り」と胸を張った。今大会でパリ五輪切符を逃せば代表引退する覚悟だが「必ずパリ五輪切符を獲って、死ぬまで代表活動を続けたい」と宣言。48年ぶりの自力での五輪切符獲得は目前。最後も勝って決める。

 ▽日本の五輪決定条件 日本はあす2日、カボベルデに勝利すれば3勝目となり、アジア勢最上位が確定する。負けた場合、同じO組のフィンランドがベネズエラに勝つと3チームが2勝3敗で並び、得失点差、総得点、世界ランキングの順で優劣をつける。O組で1位なら全体の17~20位、2位なら21~24位、3位なら25~28位のグループに入る。また、ベネズエラがフィンランドに勝った場合、日本に直接対決で勝ったカボベルデが1位となり、日本は2位。全体21~24位のグループに入り、他のアジア勢との比較となる。

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