春場所敢闘賞の金峰山に母校・目黒日大高から化粧まわし贈呈 デザインに込められた思いと期待

[ 2023年4月12日 14:09 ]

目黒日大高から贈られた化粧まわしの図柄と同じポーズを取る金峰山(撮影・前川 晋作)
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 大相撲春場所で敢闘賞を受賞した幕内・金峰山(25=木瀬部屋)が12日、母校の目黒日大高で行われた化粧まわし贈呈式に出席した。

 贈られた化粧まわしの図柄は、母国・カザフスタンの国旗をイメージした青地に太陽のデザインに、山とカエルのイラストが加わったもの。山は、しこ名にもなった熊本の「金峰山」。カエルは、相撲を始めた原点でもある母校を思い出して「初心に返る」意味と、「カエル跳びで一気に番付を駆け上がる」という意味が込められている。目黒日本大学学園の小梛治宣理事長は「目立つ図案にした。デザインに1年以上かけた」と、新十両昇進が決まる昨年7月よりも前から熟考していたことを明かした。

 いろいろな思いが込められた化粧まわしをもらった金峰山は「先生方が作ってくれたから大事にしないといけない」と活躍して恩返しすることを誓った。春場所は新入幕ながら11勝を挙げて敢闘賞を受賞し、潜在能力の高さを示した。近い将来、横綱や大関にもなり得る期待の大きな逸材。少し気は早いが「綱獲り(ツナ・鳥)を祈念して」と、ツナ缶と焼き鳥缶が学校近くの権之助坂商店街から贈呈された。

 金峰山は18歳だった16年春に来日し、日出高校(現・目黒日大)通信制課程の3年生として編入。「来た時は日本語が全く分からなかった」というが、1年間学校に通って日本語を猛勉強し、日大相撲部で稽古に励んだ。母校を訪れるのは、卒業した17年春以来6年ぶり。「この道とか階段とかよく歩いたなと、久しぶりに来て懐かしい」と当時を思い出していた。当時は同校に相撲部はなかったが、近年では昨年の全国高校選抜大会個人優勝者を輩出するなど強豪校に成長。学校の名前が入った化粧まわしを締めることで「稽古していればここまで来れるよって見せたい」と後輩たちへエールを送った。

 夏場所(5月14日初日、東京・両国国技館)では番付を大きく上げて初めての横綱大関戦も予想される。目標を問われると「勝ち越してケガしないように」といつものフレーズを繰り返したが、学校関係者への謝辞では「来場所優勝するために頑張りますので応援よろしくお願いします」と大きな目標を掲げた。

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2023年4月12日のニュース