今井 女子200メートル平泳ぎで2連覇 6年ぶり代表に「勢いや運じゃない。実力で獲れた」

[ 2023年4月8日 04:40 ]

競泳日本選手権第4日 ( 2023年4月7日    東京アクアティクスセンター )

<第99回日本選手権水泳競技大会 4日目>女子200メートル平泳ぎ決勝で優勝を果たした今井(撮影・河野 光希)
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 世界選手権(7月、福岡)の代表選考会を兼ねて行われ、女子200メートル平泳ぎは今井月(るな、22=バローHD)が2分22秒98で2連覇を果たした。昨年8月に記録した自己ベストを0秒04更新し、昨年世界選手権銀メダル相当の好タイム。17年以来6年ぶりに日本代表に返り咲いた。

 ラストスパートで長い空白を埋めた。今井は150メートルを先頭の青木と0秒33差の2番手でターン。最後の50メートルでギアを上げて頂点に立った。派遣標準記録を0秒93上回り、6年ぶりに代表に内定。昨夏に7年ぶりに更新した自己ベストを再び塗り替え「最後の50メートルで上げられる自信はあった。16、17年の代表は若い勢いや運もあったが、今回は実力で獲れた」と実感を込めた。

 16年リオデジャネイロ五輪に15歳で出場。17年世界選手権にも出場したが、その後は伸び悩んだ。21年の東京五輪の代表選考会は「代表を狙えるレベルではなく試合に行くのも憂鬱(ゆううつ)だった」と振り返る。21年6月には5歳から10年間、水泳を学んだ恩師・芝辻泰宏コーチ(享年57)が病気で他界。その約1カ月後に故郷・岐阜の大会に出場して再び世界舞台に戻る思いを強くした。

 持ち味だったダイナミックなフォームに限界を感じ、昨年からストローク数を増やす泳ぎへ改良。得意のキックに合わせたストロークを身につけて、徐々に復調した。今大会は5日の100メートル平泳ぎで5位に沈み精神的に崩れかけたが、絶好調だった昨夏と現在の泳ぎを映像で見比べるなどフォームの修正に注力。関節が柔らかく曲げすぎて水の抵抗を受けることがある膝の角度を調整した。

 16、17年の世界大会は200メートル個人メドレーで出場しており、思い入れの強い平泳ぎでは初。「平泳ぎは日本のお家芸。強いことを証明したい」と力を込めた。自国開催での世界舞台。東京五輪に出られなかった分、福岡への思いは強い。

 ◇今井 月(いまい・るな)2000年(平12)8月15日生まれ、岐阜県出身の22歳。兄の影響で3歳から水泳を始める。岐阜西中、愛知・豊川高、東洋大を経て、今春から東海地方を拠点にスーパーマーケットなどを展開するバローホールディングス(HD)に所属。16年リオデジャネイロ五輪は200メートル個人メドレーに出場し、準決勝で15位敗退。17年世界選手権(ブダペスト)は200メートル個人メドレー5位。身長1メートル64。

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