【二所ノ関親方 視点】翠富士“攻めは最大の防御”碧山相手に一歩も引かず力で圧倒

[ 2023年3月20日 04:38 ]

大相撲春場所8日目 ( 2023年3月19日    エディオンアリーナ大阪 )

碧山(右)の張り手を受けながらも寄り切りで破る翠富士(撮影・後藤 正志)
Photo By スポニチ

 小兵の翠富士が碧山を力で圧倒。どっちが大型力士なのか分からないような相撲でした。

 碧山の突きには重さがあります。気がついたら一気に持っていかれる破壊力抜群の攻め。現役時代に対戦した私の印象です。翠富士は土俵の真ん中で「攻めは最大の防御」と、一歩も引かずに食い下がった。そして中に入り込みながら自分の体勢に持ち込んで堂々と寄り切った。びっくりのワンサイド勝ちでした。

 これまでは土俵際でぎりぎり勝つような内容が目立ちましたが、今場所は安定感がある。代名詞は「肩透かし」。相手も警戒して出られないことが多かったですが、前への圧力が加われば威力も倍増です。日頃、照ノ富士との稽古で圧力を体感しているのも地力強化の要因となっているはずです。

 本人には失礼ですが、場所前に誰がこの快進撃を予想したでしょうか。逆に後半どんな相撲を取ってくれるか、楽しみは尽きません。(元横綱・稀勢の里)

続きを表示

2023年3月20日のニュース