欧州王者のゆくえは?レイドロー&真壁氏の予想はアイルランド!ラグビー欧州6カ国対抗 18日に最終節

[ 2023年3月17日 12:00 ]

欧州6カ国対抗最終節の見どころを語ったグレイグ・レイドロー(左)と真壁伸弥氏
Photo By スポニチ

 ラグビーの欧州ナンバーワンを決める欧州6カ国対抗(シックスネーションズ)は、いよいよ18日に最終節を迎える。優勝のゆくえは、ここまで4戦全勝の世界ランキング1位・アイルランドと、3勝1敗で同2位のフランスの2カ国に絞られた。最終節ではアイルランドがイングランドと、フランスはウェールズと対戦。W杯イヤーの欧州王者が決定する。

 衛星放送局のWOWOWでは、最終節の3試合も放送・ライブ配信を行う。第4節で母国のスコットランドとアイルランドの対戦で解説を務めた、元主将のSHグレイグ・レイドローと、元日本代表の真壁伸弥氏が、最終節の見どころを語った。

 ――まずはスコットランド―アイルランド戦の解説を終えた今の率直な感想をお願いします。

 レイドロー「タフなテストマッチでした。アイルランドはとても強いチームで、スコットランドとしては現在のナンバーワンチームが相手でしたから、このような結果になるのは必然ではありました。スコットランドもチャンスを作りましたが、前半のうちにもういくつかチャンスを作り出す必要があったと思います(前半はスコットランド7―8アイルランド)。そうすればスコアの上で相手にプレッシャーをかけることができたでしょう。アイルランドは大いに称賛されるべきチームです。ゲームマネジメントはもちろん選手たちのプレー、特にフランカーのジョシュ・ファンデルフリヤーのプレーが素晴らしかったですね。最高の仕事をしてアイルランドの勝利に貢献しました」

 真壁「ゲーム理解度はやはりアイルランドの方が優れていました。前半はスコットランドも質が高く十分通用していたと思いますが、アタックしていても勢いを止められてしまい、しっかりとドライブできていないのが気がかりでした。バックスによるいいトライはあったもののFWがゲインを切れていなかったので、“自分たちは何が通用していて何が通用していないのか”ということを見極め、話し合い、後半に活かす必要がありました。その点でもアイルランドの方が優勢だったと思います。アイルランドの方が肩を組んで話し合う機会が多く、まとまっていた印象があります」

 ――敗れたスコットランドは最終節でイタリアと対戦し、勝って3位を目指すことになります。

 レイドロー「そうですね。おそらく3位に入れると思います。スコットランドはイタリアに勝ちたいと思っているでしょうし、強気で大会を終えることが大事です。シックスネーションズで3位は良い結果です。なぜなら、現在世界ランキング1位のアイルランド、2位のフランスに勝つのは非常に難しいからです。ですからスコットランドは良いポジションにつけていると言えます」

 ――まだ最終節が残っていますが、今大会を振り返っての印象、総括をお願いします。

 レイドロー「どのチームも大会に対してポジティブな姿勢で臨んでいると感じました。最下位のイタリアは今大会1勝もしていませんが、試合内容は良かったと思います。より多くのトライが決まり、たくさん点が入る試合は素晴らしいと思いますし、ショーとしても見ていて楽しいものでした。私も励みになりましたし、実にエキサイティングな大会でしたね」

 真壁「やはりシックスネーションズはフィジカルが一番重要だということがわかる大会でした。世界的にゲーム展開が速くなっている中でもスクラムやラインアウトの精度はもちろん上げていかないといけません。フィジカル、ブレークダウンでいかに前に出られるか、というラグビーの基本的な部分がしっかりできているチームが実際に勝利を収めていますよね。その傾向が如実に表れていたと思います」

 ――どのチームが優勝すると予想していますか?

 レイドロー「確証はありませんが、優勝までもう少しのところまで来ているアイルランドがチャンピオンとなるでしょう。彼らはホームの観客の前でプレーすることになりますし、現地はものすごい雰囲気になると思います。彼らは、今大きなプレッシャーがかかっているイングランドと強気で戦うことになるでしょうね。アイルランドにも負傷者が出ていますので彼らもプレッシャーを感じていると思いますが、それでも十分に勝ち目はあると思います。2位のフランスも強気で戦って、ウェールズに勝つでしょう」

 真壁「私も同じくアイルランドが優勝すると予想しています。対戦するイングランドはヘッドコーチが(エディー・ジョーンズ氏からスティーブ・ボーズウィック氏に)変わってからも、持ち前の圧の強さを活用できていないと感じていますので、このままいけばアイルランドがいいゲームをしてチャンピオンになるのではないかと思っています」

 ――今年のW杯をもって現役を引退すると表明しているアイルランドの偉大な司令塔、スタンドオフのジョナサン・セクストン主将にとっては、そのイングランド戦がシックスネーションズのラストマッチとなります。

 レイドロー「ジョニーは素晴らしい選手です。この試合(スコットランド―アイルランド戦)でもそれがよくわかったと思います。彼はチームの支柱であり、チームを前進させるワールドクラスの選手です。彼の仕事に取り組む姿勢、リーダーシップは素晴らしく、ずっと努力を重ねて来て今に至っている特別な存在ですね」

 ――そんなセクストン主将の活躍も期待される最終節の見どころを最後にお願いします。

 レイドロー「3試合とも大一番です。優勝に向けて競り合っているチーム(アイルランドとフランス)の最終戦があり、特にアイルランド―イングランド戦は素晴らしい試合になるはずですし、観客も大いに盛り上がる選りすぐりの試合となるでしょう。アイルランドのパッションを込めたプレー、激しいぶつかり合いをぜひ見ていただきたいです」

 真壁「最終節の見どころはやはり国のプライドですね。特にヨーロッパの国々はどこも自分たちが一番だと思っているはずですので、各国のプライドを懸けた最終節の戦いを今から楽しみにしています」

続きを表示

2023年3月17日のニュース