【白鵬杯】震災直後に運命の出会い…岩手県山田町の小学生 宮城野親方感慨「こういう時代が来たな」

[ 2023年2月11日 18:47 ]

岩手県山田町の佐藤真士くん(左)と握手する宮城野親方(代表撮影)
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 12日に東京・両国国技館で行われる少年相撲大会「白鵬杯」に出場する選手たちが大会を前日に控えた11日、東京都墨田区の宮城野部屋で稽古を行い、宮城野親方(元横綱・白鵬)らの指導を受けた。

 海外から招待されたウクライナ、ハワイ、モンゴルチームと一緒に、岩手県山田町の3人も参加。小学6年生の佐藤真士くんは、宮城野親方と運命的な縁があった。佐藤くんは11年3月2日に生まれ、退院予定だった3月11日に東日本大震災で被災。同年6月、慰問に訪れた当時の横綱・白鵬に抱っこしてもらったことがあった。相撲をやっていた父・哲也さんの影響で小学2年生の頃から相撲を始め、同親方との交流も続いた。今回が白鵬杯初参加。「偉大な人」と憧れる大横綱から直々に指導を受け「基本技を教えてもらって勉強になった。(明日)白鵬さんの前で相撲を取るのは緊張するけど、良い相撲を見せられるように。まずは1勝できるように」と大会へ意気込んだ。

 東日本大震災の津波で流されてしまった山田町の土俵は、横綱・白鵬を中心とした力士会からの寄付金で12年に再建。その土俵で佐藤くんは稽古に励んできた。佐藤くんの父・哲也さんは「(大会に)出られたということで少しでも恩返しできたかな」としみじみ語った。

 宮城野親方は「(当時は)現役だからこそできることがたくさんあった。子供たちがすくすく育って帰ってきたな、こういう時代が来たな、と。本当にありがたいですね」と感慨を込めた。

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