先代師匠の元若嶋津が感動の止めばさみ 元松鳳山、感謝と涙、涙の断髪式

[ 2023年2月11日 18:01 ]

入門時の師匠、荒磯親方(元大関・若嶋津)に止めばさみを入れてもらう元松鳳山の松谷裕也さん
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 昨年6月に現役を引退した大相撲の元小結・松鳳山の松谷裕也さん(39)=福岡県出身=が11日、東京・両国国技館で断髪式を行った。この日は2006年春場所初土俵の同期だった幕内・竜電、錦木、十両・千代の国や、二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)ら約420人が出席。断髪式の最後には、現師匠の放駒親方(元関脇・玉乃島)が残った大銀杏(いちょう)の大部分にはさみを入れると、弟子らに支えながら入門時の師匠である元大関・若嶋津の荒磯親方が登場。「しょうほうざーーん」の声がこだまするなか、先代師匠の止めばさみで16年間の力士生活に別れを告げた。

 この日は先代師匠のおかみ、日高みづえさんら大勢の女性もはさみを入れた。断髪式の最中には力士らと笑顔で話しかけていた松谷さんも、母親の輝美さん(64)の名前が呼ばれた瞬間に、顔をくしゃくしゃにしながら目を真っ赤に腫らした。「きょうは泣かないつもりだったけど両親のときは、やっぱりきましたね。16年間、大きなケガもなく相撲が取れてきたのは丈夫に産んでくれた両親のおかげかなと思いますし、一番近くで応援もしてくれたのでぐっとくるものがあった」。支えてくれた1人1人へ感謝の思いを抱いた松谷さんは「最後にみんなに見送っていただいて、きょうから新たなスタートが切れます」と清々しく話した。

 今後は千葉県船橋市で飲食店を開業することを目指している。「16年間お世話になった船橋に恩返しをしたい。焼き肉屋をやろうと考えています」。1月には親交のある元小結・千代大龍が東京・六本木に焼き肉店をオープンしたが「コンセプトが違うので。向こうはフレンチ系で、こちらは昔ながらのこてこての焼き肉。みなさん(来店した際には)服ににおいがつくから気をつけてくださうい」と笑わせた。 

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