元日に女子相撲大会開催「普及につながる大会に」マット土俵、華やかな演出…新たな形の異種格闘技戦

[ 2022年12月31日 13:01 ]

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 女子相撲の普及・発展を目的とした「元日女子相撲日本一決定戦」が来年1月1日、東京都立川市のアリーナ立川立飛で開催される。初の試みとなる今大会の準備委員長を務める中量級元世界王者の太田麻乃さん(36)と、副委員長を務める軽量級元アジア王者の松浦みな美さん(31)姉妹が今月初旬、事前取材に応じた。

 日本相撲連盟主催の下「女子による女子のための大会」の実現を目指し、日本代表レベルの女子選手8人が大会準備委員となって運営に尽力。アマチュア相撲界の急務の課題でもある女子選手の競技人口増加を狙い、相撲未経験者が参加しやすい部門をつくった。また、競技人口だけでなく知名度や人気の向上も普及には必須のため、多くの人に見て楽しんでもらえるような案を模索。「普通の大会ではなく、普及につながる大会にしたい」と、これまで行われてきた女子相撲の大会との差別化を図った。

 まずは、相撲未経験者を対象とした部門の創設。他競技の経験者が出場する「腕に覚えありの部」、相撲競技者の母親が出場する「お母さんの部」、大相撲の力士を親戚に持つ「力士親族の部」の3部門がある。「腕に覚えありの部」では、柔道や総合格闘技、競輪、チアリーディングなど幅広いスポーツの経験者たちが“異種格闘技戦”を繰り広げる。今大会の全11部門の中で最も参加申し込みが多かったのが「お母さんの部」。相撲に励む娘や息子の影響を受けた母親たちが初めて実際に相撲を取る。

 既存の大会との差別化として最も大きな要素は、土俵の材質。土でできた従来のものではなく「じゅうたん式マット土俵」を採用する。本当の土俵が身近になくても気軽に取り組めるよう「アーバン化」したという。小学生の「わんぱく相撲」でも地区大会ではマット土俵が使われており、未経験者にとっては身近な存在。本当の土俵とは足裏の感覚が異なるため、相撲の基本であるすり足がしにくくなるなど、競技の特性が変わってくる可能性もある。そのため「相撲」であって「相撲」ではない“異種格闘技戦”の要素も含まれている。

 また、新たな試みとして華やかな演出も取り入れるという。既存の相撲の大会では見たことのない照明や音響などを用いて会場を盛り上げる。

 当日は入場無料で誰でも観戦することができる。日本相撲連盟公式YouTubeによる生配信と、15時からTOKYO MXによるテレビ中継も行われる予定。さまざまな工夫を凝らした新たな形の大会が実現され、正月から注目を集めることになりそうだ。

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2022年12月31日のニュース