中大・吉居大和 ケガから復活した絶対エース MVPの走り再び

[ 2022年12月31日 05:11 ]

中大・吉居大和
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 【箱根の主役へ 5】前回MVPの金栗四三杯を獲得した中大の絶対エース・吉居大和(3年)は、区間エントリーで補欠に回って静かに出番を待っている。当日変更での3年連続の箱根路は確実。「任された区間で自分の実力を発揮したい」と意気込む。

 前回は1区で07年の佐藤悠基が持つ最古の記録(1時間1分6秒)を26秒塗り替える衝撃の走りだった。だが、その後はケガに泣かされた。5000メートルで世界選手権出場のため参加標準記録突破を目指していたが、右膝腸脛(ちょうけい)じん帯を負傷。最終選考会だった6月の日本選手権に、姿はなかった。

 黙々と練習をこなす努力家もさすがに「痛みが取れず不安だった」と振り返る。昨年より夏合宿で走行距離を消化できなかったが、自身と向き合う時間が糧になった。藤原正和監督(42)の「これからの陸上人生に必ず生きる」という言葉に勇気をもらった。

 往路優勝、総合3位を目標に掲げる中大は「吉居グループ」という集団を選抜し、ハイレベルな練習を消化してきた。その中には、仙台育英時代に全国高校駅伝をともに制した1年の弟・駿恭もいる。「タイプが真逆」と兄を全く参考にしないという駿恭だが、前回の箱根だけは「感動した」。今度は兄弟そろっての出場となる。

 吉居大には「マラソンの世界大会で活躍したい」という夢がある。駒大の田沢廉(4年)や順大の同年代・三浦龍司らの名前を挙げ「大学生ながらトップレベルの力を持った選手に追いついて、勝負できるように」。当日投入された区間のライバルたちに負けるつもりはない。=終わり=

 ◇吉居 大和(よしい・やまと)2002年(平14)2月14日生まれ、愛知県田原市出身の20歳。田原東部中、仙台育英高から20年に中大法学部入学。1年時の箱根は3区15位。今季は出雲1区区間賞、全日本は帯状疱疹(ほうしん)を発症しながらも6区区間賞(区間新記録)。自己ベストは5000メートル13分25秒87、1万メートル28分3秒90。目標の選手は服部勇馬。1メートル68、49キロ。

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2022年12月31日のニュース