日体大・中村泰輝が25年ぶりの連覇で有終の美「自分の時代をつくった最終章で良い終わり方ができた」

[ 2022年12月4日 21:05 ]

2年連続でアマチュア横綱に輝いた日体大の中村泰輝(撮影・前川 晋作)
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 第71回天皇杯全日本相撲選手権大会が4日、東京・両国国技館で行われた。この大会はアマチュア日本一を決める最高峰の大会。今年の各種大会で好成績を収めた社会人51人、大学生69人、高校生2人の計122人が参加した。

 昨年のアマチュア横綱で既に幕下10枚目格付け出し資格を有している中村泰輝(日体大)が2連覇を達成した。連覇は、96、97年の田宮啓司(のちの大関・琴光喜)以来25年ぶり9人目の快挙。1年時から学生横綱に輝くなど4年間で13個のタイトルを獲得してきた。そのうち全国学生選手権1回、国体2回、全日本選手権2回と、幕下15枚目格付け出し資格を得られるビッグタイトルが5個。アマチュア相撲界の怪物は「自分の時代をつくった最終章で良い終わり方ができた」とアマチュア最後の大会で有終の美を飾った。

 この日は初戦から持ち味の立ち合いの爆発力を発揮し、相手を圧倒する内容で勝ち上がった。準決勝の相手は同じ日体大4年の石崎涼馬。互いに手の内を知り尽くしていることもあり、やりにくさは「めちゃくちゃありました」と意識して臨み、押し込んでから中に入られかけたが冷静にはたき込みで退けた。決勝の相手は日体大の先輩で、一昨年と昨年3位に入賞している松園大成(24=日体大職員)。今年の国体決勝と同じ顔合わせとなった。立ち合い右カチ上げから右上手を狙いにいくも取れず。松園がもろハズで出てくるところを下がりながら右へ回り込んではたき込みを決めた。

 今年はワールドゲームズ無差別級と東日本体重別135キロ以上級、国体の3大会を制してきた。11月の全国学生選手権では決勝で同じ日体大4年のチョイジルスレンに敗れて準優勝。「1位と2位の違いを凄く感じたので、優勝しなきゃ意味ないと思っていた」と優勝へのこだわりは強かった。「中村泰輝の名前で出る最後の試合なので、本当に悔いが残らないように」と臨んだ集大成の舞台を最高の結果で締めくくった。

 大学卒業後の進路は既にプロ入りを明言している。「この試合が終わってから(考える)と決めていたので、いろんな人と相談して後悔のないようにしたい」と、入門する部屋はこれから選ぶ予定だ。「自分がどこまで通用するかは分かりませんけど、ここ(国技館)で戦えるように頑張りたいと思います」。アマチュア相撲界の怪物が、大相撲界の怪物になる日を夢見た。


 ▽決勝トーナメント1回戦
石崎涼馬(日体大4年) 送り出し 野口清之(31=長崎県)
竹内宏晟(23=三重県) 突き出し 花岡真生(日大2年)
山崎勝磨(近大3年) 押し倒し 中島望(26=日大職員)
中村泰輝(日体大4年) 押し出し 干場伸介(23=石川県)
草野直哉(日大3年) 突き出し 三輪隼斗(28=ソディック)
三上大輝(東洋大2年) 寄り切り チョイジルスレン(日体大4年)
松園大成(24=日体大職員) 押し出し 春山万太郎(日大4年)
五島雅治(拓大2年) 突き出し 藤澤詩音(近大4年)

 ▽準々決勝
石崎涼馬 突き出し 竹内宏晟
中村泰輝 寄り切り 山崎勝磨
三上大輝 はたき込み 草野直哉
松園大成 はたき込み 五島雅治

 ▽準決勝
中村泰輝 はたき込み 石崎涼馬
松園大成 送り出し 三上大輝

 ▽決勝
中村泰輝 はたき込み 松園大成

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2022年12月4日のニュース