【玉ノ井親方 視点】自分の相撲を取らせてもらえず…序盤で2敗の大関2人は残念

[ 2022年11月16日 19:37 ]

明生に寄り切りで敗れ悔しがる貴景勝(撮影・中村 達也)
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 【大相撲九州場所4日目】

 ●大栄翔(押し出し)玉鷲○
 ○明生(寄り切り)貴景勝●
 ●正代(寄り切り)逸ノ城
 2人の大関はともに自分の相撲を取らせてもらえなかった。
 貴景勝は立ち合いで当たってはいたが、当たり自体は明生の方が良かった。そのため二の矢の突き上げを繰り出せなかった。
 相手の低い立ち合いと前に出る速さに押し込まれ、呼び込むような形で引いて、そのまま寄り切られた。
 見方を変えればそれだけ明生の相撲が良かったということだ。
 正代は2日目、3日目と良い相撲を取っていたが、逸ノ城戦はまともに取りすぎた。吸い込まれるように右四つに組んだのが失敗だった。逸ノ城とは相四つ。相手はその形を得意としている。しかも体は逸ノ城の方が大きい。がっぷり四つに組んだ瞬間、これはもう逸ノ城の相撲だと思った。
 横綱不在の場所で、九州は一年の納めの場所。両大関には優勝争いを引っ張っていってほしいが、序盤で2敗は少し残念だ。
 一方、38歳の玉鷲が初日を出した。大栄翔戦はうまく突き放しながら横にいなして、相手の体勢を崩し押し出した。
 先場所の優勝で三役に返り咲いたものの、年齢を重ねると疲れが抜けにくくなる。初日に場所で体を見た時に少し小さくなった印象を受けた。まだ先場所の疲れが残っていても不思議ではない。そういう状況で初日からの連敗を止めることができて、本人も少しホッとしているのではないか。
 これで気分を入れ替え、あす5日目から玉鷲らしい突き上げていく相撲を取ってほしい。
  (元大関・栃東)

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2022年11月16日のニュース