正代、カド番脱出へ連勝 過去5戦全敗の琴の若に押し出し 八角理事長「圧力があった」

[ 2022年11月16日 04:20 ]

大相撲九州場所 3日目 ( 2022年11月15日    福岡 国際センター )

琴ノ若(左)を押し出しで破った正代(撮影・中村 達也)
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 カド番の大関・正代は過去5度の対戦で一度も勝てなかった琴ノ若を会心の出足で押し出し、2勝1敗とした。最近は序盤で負けが込んでいたが、5日目までに2勝したのは今年初場所以来。鬼門の序盤で復調の兆しをアピールした。大関・貴景勝、関脇・御嶽海に土がつき、無傷の3連勝は関脇・豊昇龍、新小結・翔猿、平幕の阿炎、琴勝峰、平戸海の5人となった。

 相手をはじくような強い立ち合い。前に、前に、の攻めの姿勢と足の運び。正代は本来の姿を取り戻していた。琴ノ若を会心の内容で下し「出足がとても良かった。立ち合いの角度も良かったし、先手も取れた」と満足顔。八角理事長(元横綱・北勝海)も「正代は立ち合いがガチッと決まり、圧力があった」と評価した。

 まだ3日目。白星を1つ先行させただけだが、2つの鬼門を突破したこの日の勝利は大きな意味を持つ。

 (1)苦手の序盤 ここ4場所は全て1勝4敗。最近の正代は序盤から負けが込み、最後まで浮上できない悪循環を繰り返してきた。2勝とはいえ、何かを変える転機になる可能性はある。

 (2)過去5戦全敗の天敵 琴ノ若は体の柔らかさを武器とし、差し込んでも力を伝えにくく手を焼いてきた。「土俵際の逆転もあるし、やりづらさもあった」。その相手に終始主導権を握り、相手に引かせる理想的な攻めができたのは、二の矢、三の矢の波状攻撃があったから。「先手を取ってからの判断が良かった。自信にもなった」と手応え十分に話した。

 大関が序盤で2勝するのは当然といえば当然だが、3日目にして本来の出足を取り戻せたことは大きな収穫だ。きっかけをつかんだ時の破壊力は6日目から7連勝と波に乗った名古屋場所で実証済み。カド番脱出に明るい光が差し込んだことは間違いない。カド番脱出への重圧、地元ファンの声援。さまざまな思いが脳裏をよぎるが「その日の取組に全力を出せるよう集中しています」とブレない姿勢を強調した。

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2022年11月16日のニュース