【玉ノ井親方 視点】相手の裏かく翔猿の立ち合い

[ 2022年11月16日 04:20 ]

大相撲九州場所 3日目 ( 2022年11月15日    福岡 国際センター )

立ち会いに玉鷲(左)の下に潜り込む翔猿(撮影・中村 達也)
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 新三役の翔猿がよく考えた立ち合いを見せた。右に沈み込むように体勢を低くして、玉鷲の圧力をかわすとすぐに右を差した。最近の翔猿は馬力をつけているので、玉鷲にすれば思い切って当たろうという考えだったはず。だが、立った瞬間に相手の姿が視界から消えるようになり、慌てたようだ。脇が甘くなって簡単に右を差され、おっつけられながら押し出された。

 以前の翔猿は立ち合いで変化したり蹴手繰りを出したりする印象があったが、最近はあまり見かけない。それだけ体も大きくなり、当たりも強くなったということ。だから、まれにこの日のような立ち合いをすると効果がある。

 学生相撲出身だけあって、そつのない相撲を取る。土俵際で回り込むのもうまいし、いなしもできる。最近は攻めも速くなった。今場所は三役でも自分の力が通用すると、納得しながら相撲を取れているのではないか。(元大関・栃東)

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2022年11月16日のニュース