駒大、9年ぶり出雲駅伝V!大会新で同校初の3冠へ弾み スーパールーキー佐藤が2区区間賞デビュー

[ 2022年10月11日 04:29 ]

9年ぶり4度目の優勝を果たしポーズをとる駒大の選手と大八木弘明監督(左端)
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 学生3大駅伝の初戦、出雲全日本大学選抜駅伝が10日、島根・出雲大社正面鳥居前~出雲ドーム前の6区間、45・1キロで行われ、駒大が2時間8分32秒の大会新記録で9年ぶり4度目の頂点に立った。3大駅伝初陣となったスーパールーキー佐藤圭汰(1年)が2区で15分27秒の快走を見せ、区間賞を獲得。6人が区間新記録を出した最激戦区で流れをつかみ、スピード決戦を制した。駒大史上初となる駅伝3冠の挑戦権を得て、11月6日の全日本大学駅伝と来年1月2、3日の箱根駅伝へ弾みをつけた。

 駒大の怪物が圧巻デビューを飾った。2位でたすきを受けた2区の佐藤は、ダイナミックなフォームで強風の出雲路を力走。1キロ過ぎにトップの中大を捉えると、首位で3区へつないだ。洛南高の先輩で、東京五輪の3000メートル障害で7位入賞の三浦龍司(順大3年)を4秒上回る区間賞。「走る前から区間賞を獲ろうと思っていた。ホッとしている」。3種目で高校日本記録を持つスーパールーキーは、ひょうひょうと振り返った。

 1週間前に膝を痛め、不安はあったという。さらに、世界選手権1万メートル代表の絶対エース田沢廉(4年)が1週間前に胃腸炎を発症。最長区間6区に配置される予定の田沢が距離の短い2区か3区を走ることになり、佐藤の区間も決まらなかった。そんな状況下で力を発揮し「自信になった」と話した。

 世界で戦える選手になるため、強豪の門を叩いた。田沢に世界選手権の経験を一番しつこく質問し、大八木弘明監督(64)には田沢と同じメニューで練習したいと常に要望。そんな熱い新人に各学年のエース級選手たちも触発され、好循環が生まれた。今大会は全区間で2位以内。圧倒的な総合力で“青学1強”と評されていた勢力図を塗り替えた。

 今後も全日本、箱根と駅伝シーズンが続く。「走る距離が長くなるので、もっとレベルアップしたい」と意気込む佐藤に、大八木監督は声をかけた。「ガッツがあったね。田沢と一緒にちょこちょこ練習やらせるから」。その言葉に目を輝かせた18歳のさらなる飛躍が、名門初の3冠の鍵を握っている。

 ◇佐藤 圭汰(さとう・けいた)2004年(平16)1月22日生まれ、京都市出身の18歳。小3から本格的に陸上を始め、洛南高時代は1500メートル3分37秒18、3000メートル7分50秒81、5000メートル13分31秒19の3種目で高校日本記録を樹立。昨年の全国高校総体は1500メートル優勝、5000メートルは日本人最高の4位。今年8月のU20世界選手権では5000メートル11位。座右の銘は「上には上がいる」。1メートル84、67キロ。

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