新十両・狼雅 同学年の豊昇龍に「追いつく」、元大関・雅山の二子山部屋から初の関取誕生

[ 2022年9月29日 05:30 ]

新十両昇進が決まった狼雅(日本相撲協会提供)
Photo By 提供写真

 日本相撲協会は28日、東京・両国国技館で大相撲九州場所(11月13日初日、福岡国際センター)の番付編成会議を開き、ロシア出身で元高校横綱の狼雅(23=二子山部屋)と対馬洋(29=境川部屋)の新十両昇進を発表した。狼雅は、元大関・雅山が起こした二子山部屋から誕生した初めての関取となった。

 入門から4年、期待されながらようやくつかんだ関取の座に「うれしいです」と笑顔を見せながらも「少し時間かかった。何度も決めるチャンスはあった」と振り返った。ロシアのトゥワ共和国出身。モンゴルと接する秘境で、冬は気温が氷点下50度にもなるという大自然の中で育った。鳥取城北高では高校横綱を獲得。すぐに幕下まで番付を上げたが「気持ちの面でもっと強ければ決めたかった」と重圧に負け幕下上位で足踏みが続いた。

 会見に同席した師匠の二子山親方(元大関・雅山)は「高校横綱を獲ったことがプレッシャーになって彼らしさが出なかった。相撲を小さくしてしまった」と逸材を預かる苦悩があった。それでも稽古で自信をつけた愛弟子を思い「時間をかけた分うれしさが増す」と感慨深く語った。

 狼雅の同学年には、全国高校総体の決勝で戦った豊昇龍ら、既に幕内で活躍する力士もいる。先を行くライバルたちに「そのうち追いつきます」と静かな闘志を燃やした。

 ◇狼雅 外喜義(ろうが・ときよし)本名=アマルトゥブシン・アマルサナー。1999年3月2日生まれ、ロシア・トゥワ共和国出身の23歳。14歳の時、モンゴルで相撲を始める。16歳で来日し、鳥取城北高に相撲留学。3年時に全国高校総体で優勝。二子山部屋に入門し、18年九州場所で初土俵。1メートル84、146キロ。

続きを表示

2022年9月29日のニュース