対馬洋「ケガしてよかった」右肩の手術乗り越え成長 29歳でつかんだ関取の座 新十両昇進会見

[ 2022年9月28日 15:39 ]

新十両昇進が決まった対馬洋(日本相撲協会提供)
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 大相撲九州場所(11月13日初日、福岡国際センター)での新十両昇進が決まった対馬洋(29=境川部屋)が28日、部屋からオンライン会見を行った。

 入門から6年、ケガを乗り越えて29歳でつかんだ関取の座に「まだ実感が湧いていない。フワフワしたような感覚」と少し緊張しながらも喜びを口にした。

 デビュー5場所目の17年夏場所で幕下昇進、19年春場所では幕下6枚目と順調に番付を上げていったが、その後右肩の手術で2場所連続休場して番付を下げるなどケガに苦しんだ。「少し下がった方が弾みがつく」という師匠(境川親方=元小結・両国)の言葉を胸にそこから少しずつ番付を戻していった。「ケガをした時に、まわりに支えられていることと諦めてはいけないことを学べたので、ケガしてよかったと思っています」。この経験が自身を成長させた。

 直近1年の番付は全て幕下15枚目以内。「十両を目指してとにかく上がるんだという気持ちでやってきました」。秋場所は東4枚目で5勝を挙げ、幕下昇進から5年以上かけて十両昇進を決めた。「遅かったというマイナスなことは考えていない。これからもっと強くなってどんどん番付を上げていこうとしか思っていない」と常に前を向いている。

 会見に同席した師匠の境川親方は対馬洋と同じ長崎県出身で諫早農高、日大の先輩にあたる。「ケガが多かったけど、一生懸命やるが故のケガだった。最後まで諦めない気持ちは力士として大事なこと」と愛弟子の相撲に取り組む姿勢を評価。「今日(新十両昇進)は通過点だと思って幕内、三役と常に上を目指して頑張ってもらいたい」と期待を込めた。

 境川部屋には妙義龍(35)、佐田の海(35)ら良い見本になる兄弟子がいる。「部屋の関取衆のように、痛い姿を見せない精神的にも肉体的にも強い力士を目指していきたい」と29歳の新十両は理想の力士像を思い描いた。関取として臨む九州場所はご当所でもある。「地元九州で大銀杏を結って相撲取れることが凄くうれしい」。故郷のファンへ、強くなった姿を見せられる日を心待ちにした。

 ◇対馬洋 勝満(つしまなだ・まさみつ)本名=梅野勝満。1993年(平5)6月27日生まれ、長崎県諫早市出身の29歳。小4から両国少年相撲クラブで相撲を始め、諫早農高3年時に九州大会100キロ級準優勝。日大1年時に東日本学生体重別100キロ級優勝。2年時に全国学生体重別115キロ級準優勝、東日本学生相撲競技会優勝。3年時に東日本学生体重別115キロ級優勝。4年時に東日本学生体重別無差別級8強。日大を卒業後、境川部屋に入門。16年名古屋場所で初土俵。1メートル85、138キロ。

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