飛び込み玉井 2位に210点差で優勝 満点演技も「全部10点じゃなくて残念」 とちぎ国体

[ 2022年9月14日 15:46 ]

第77回国民体育大会飛び込み ( 2022年9月14日    日環アリーナ栃木 )

玉井陸斗
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 少年の部男子高飛び込み決勝で世界選手権銀メダリストの玉井陸斗(16=JSS宝塚)が573・55点で優勝した。自己ベストを24・10点更新し、2位に210・65点差をつける圧勝。5本目の307C(前逆宙返り3回半抱え型)で100・30点、6本目の5255B(後ろ宙返り2回半2回半ひねりえび型)で108・00点と大台の100点台をマーク。高校生以下が対象の少年の部で採点が甘い傾向があったとはいえ、別格の演技を披露した。

 10点の採点が並んだ。最終6本目の5255B。玉井が水しぶきのほとんど上がらないノースプラッシュを決めた。7人の審判のうち6人が10点満点と採点。最高点から上位の二つと最低点から下位の二つを除く三つの採点の合計点に演目の難易率(5255Bの場合は3・6)を掛けた値が得点となるため、満点の108点をたたき出した。入水が乱れた3本目109C(前宙返り4回半)を除く5本のジャンプで90点以上をマーク。「5255Bは108点の満点を取ってやろうと思っていたのでうれしい。全部10点じゃないところが残念ですが」と振り返った。

 飛躍のきっかけをつかんだのは世界選手権だった。「世界選手権は決勝進出を目標に掲げていたので決勝は気楽に臨めた。それまでは大会に“つらい”とか“しんどい”という思いを抱えて臨むことが多かったが、気楽に臨んだ世界選手権で結果が出せたことで、試合を“楽しむ”ことを見つけられた」。今は試合中も他の選手と会話したり、スマートフォンを触ったりとリラックス。気負わずにフラットな心理に飛び込み台に上がれていることが好結果を生んでいる。

 今夏は世界選手権(6月18~7月3日、ブダペスト)で銀メダルを獲得。帰国後も日本選手権(8月5~7日、栃木)、高校総体(同17~20日、高知)、ジュニアオリンピック杯(同22~25日、大阪)と連戦が続いた。今後は世界ジュニア(11月27~12月4日、モントリオール)に出場する可能性を残すが、今大会で今シーズンは一区切り。玉井は「思い出深い1年になった。世界選手権で2番になれて、自己ベストも出せた。成長できたシーズン」と総括した。

 今月11日には16歳の誕生日を迎え、国内の飛び込み仲間から香水やお菓子などをプレゼントされ、海外選手からも祝福メッセージが届いた。来夏の世界選手権(8月2~11日、福岡)には高飛び込みと板飛び込みの2種目出場を目指している。目標は24年パリ五輪での日本勢の飛び込み史上初のメダル獲得。「板飛び込みは苦手種目をきっちり決められるように練習したい。高飛び込みは6本全ての演技で90点台、100点台を出せるように完成度を高めたい」と視線を上げた。

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2022年9月14日のニュース