馬場咲希 激しい体重変動も増す増す期待 16日開幕住友生命Lで国内T凱旋

[ 2022年9月14日 04:30 ]

全米女子アマを制し、16日に国内トーナメントに凱旋する馬場
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 【馬場咲希凱旋 全米女子アマ女王にアプローチ 上】8月の全米女子アマチュア選手権を日本人として37年ぶりに制した馬場咲希(17)が16日開幕の住友生命レディース東海クラシック(新南愛知CC美浜C)で国内トーナメントに凱旋する。一躍「時の人」となった17歳のニューヒロインに、さまざまな角度から迫る企画を3回にわたって連載。1回目はフィジカル面にアプローチした。

 身長は今も1年に約4ミリ伸びている。伸びやかな肉体はいかにして生まれたか。馬場はよく食べ、そのペースは周囲が驚くほどスローという。一食にかける時間は、実に約2時間。同じ量を5分で終える父の哲也さん(47)は「幼少期には心配で病院にも連れていきました。でも“良いことですから”と言われてしまって…」と苦笑する。

 カレーうどんが大好きな17歳は、まだ体重の変動が激しい。全米アマ、世界アマチュアチーム選手権と遠征が続いた8月は9キロも減り、飛距離は20ヤード近く落ちた。スイングも鈍り、試合中にシャフトを替えながら対応した。まだまだ発展途上。哲也さんは9キロ減となった体重について、昨年だけで15キロ増量したために「トータルでは6キロ増」と前向きだ。

 時の人となり、過度の注目も心配されるが、それは杞憂(きゆう)という。馬場は平均270ヤードの1Wも「人前の方が飛ぶ」と話す。5月のブリヂストン・レディースでは1番ティーが大勢のギャラリーに囲まれていた。本来なら緊張する場面。練習グリーンでパットの調整をしていた馬場は「早く打ちたい!」と目を輝かせ、哲也さんを驚かせた。

 幼少期から長身で目を引く存在だった。当初は自然と視線が自分に集まるように感じ、目線が泳いでしまう子だった。そこで始めたのがゴルフ。上達し、自信がついてくると落ち着いた。哲也さんが「人前でも力を発揮できるタイプ」と確信したのは関東ジュニアを制した時。緊張などおくびにも出さず、優勝インタビューも冗舌だった。これもまた、一流選手の資質と言える。

 全米アマで大ブレーク後、国内外のツアーだけでなく、米の名門大から勧誘が殺到した。それでも「不思議な感じ」と17歳は等身大のまま。9キロ落ちた体重は、既に3キロ戻した。凱旋で注目に値するプレーを見せる準備は整っている。

 ≪勝負服で強気≫馬場はこの日、愛知県美浜町の新南愛知CC美浜Cの全18ホールを練習ラウンドし、凱旋試合に備えた。既に全米女子アマ最終日と同じグレーの“勝負服”で臨むことを明かしており「全米アマのときのように、ピンを狙ってバーディーを取る強気のゴルフができるよう頑張る」と話していた。今後も日本女子オープン(29日開幕、千葉)など複数のトーナメントに出場予定で、来年のプロテストを受けることも表明している。

 ◇馬場 咲希(ばば・さき)2005年(平17)4月25日生まれ、東京都日野市出身の17歳。父・哲也さんの影響で5歳からゴルフを始める。18年東京都ジュニア選手権優勝、19年関東ジュニア選手権優勝。6月の全米女子オープンでは日本人アマとして8年ぶりに予選通過。憧れはネリー・コルダ(米国)。今月1日から日本ウェルネス高から代々木高に転校した。1メートル75。

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2022年9月14日のニュース