【玉ノ井親方 視点】先輩の意地見せた貴景勝だが、立ち合いの当たりはまだ、物足りない

[ 2022年7月12日 20:11 ]

大相撲名古屋場所3日目 ( 2022年7月12日    愛知・ドルフィンズアリーナ )

琴ノ若(右)を退ける貴景勝(撮影・亀井 直樹)
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 貴景勝が先輩の意地を見せた。琴ノ若は高校の後輩で同じ一門。稽古でも当たって、手の内も分かっていたはず。だが、先場所は相手を押し込めずに敗れた。それだけに同じ轍(てつ)を踏むわけにはいかないという気持ちだったろう。

 琴ノ若はまともに当たってくるタイプ。左右に動くわけではないので、大関にすれば取りづらくはない。相手がもろ差し狙いできたところを低く当たって押し上げた。右の張り手も効いた。琴ノ若の上体を浮かせて、そのまま押し出した。

 これで白星先行。ただ、いい時に比べまだ下半身の動きに切れがない。上体も浮きやすい。何より立ち合いの当たりが物足りない。昨年の逸ノ城戦で首を痛めてから、少し思い切りがなくなっている感じだ。きょう4日目の相手はその逸ノ城。ケガをすると怖さも出るが、それを打ち消す強い気持ちが必要だ。(元大関・栃東) 

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2022年7月12日のニュース