惜敗にも「負けは負け」プロップ稲垣 秋へさらなる成長誓う

[ 2022年7月9日 22:48 ]

ラグビーリポビタンDチャレンジカップ2022最終戦   日本15―20フランス ( 2022年7月9日    東京・国立競技場 )

<日本・フランス>試合を終え、山中(左)、稲垣をねぎらうジョセフHC(右)(撮影・吉田 剛)
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 世界ランキング10位の日本は、同3位の欧州王者フランスに15―20で敗れた。通算の対戦成績は1分け11敗となった。19年11月に完成した新しい国立競技場で初のテストマッチという記念すべき一戦だったが、惜しくも金星を逃した。

 後半30分までリードを保ち、1トライ1ゴールで逆転できる5点差の敗戦にも、プロップ稲垣啓太(埼玉)は「負けは負け。点差云々は考えていない。(点差が)離れようが拮抗(きっこう)しようが、勝者と敗者(に分かれる)」と敗戦の弁を述べた。ウルグアイ戦から3試合連続で先発した1番は、この日も交代した選手では一番最後となる後半31分までプレー。持ち前のディフェンス力を発揮し、最後まで接戦に持ち込んだ。

 それでも「テストマッチは勝たないと意味がない」と言い続ける男の表情は厳しい。無得点だった後半は、ノックオンやタップミスなどの個人のミスが相次ぎ、決定機を逃すシーンが多かった。まず自分自身に、そして同じ代表ジャージーを着る仲間たちにも厳しい視線を送る稲垣は、「後半は遂行力が落ちた。ミスが多すぎた。負けるべくして負けた。疲労している状態で上げるトレーニング(練習)をしているが、逆に相手にエナジーを与えてしまった」と反省した。

 昨秋は代表活動期間の直前に、右アキレス腱と右肘を相次いで手術。パフォーマンスが落ちたままプレーを続けたが、リーグワン、そして今夏の代表戦3試合と、完全復活を印象づけた。それでも本人は「成長していると思うが、満足はしていない」と言い切る。さらなる増量とフィットネス向上の両立や、ブレークダウンでのスキルなどなど。笑わない男は、進化の止まらない男であり続ける。

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2022年7月9日のニュース