フィギュア銅メダルの坂本花織が道徳授業の題材に 諦めず努力を続ける大事さ、元担任の中学校で授業

[ 2022年2月25日 05:30 ]

坂本花織(左)と関口清香先生

 フィギュアスケート女子で北京五輪銅メダリストの坂本花織(21=シスメックス)が、道徳授業の題材として扱われたことが24日までに分かった。今季、フリー曲の表現などに迷いながらも、挑戦を続けて大舞台に。その姿勢をテーマに映像を交えながら、元担任が勤める神戸市立広陵中の生徒が学習した。生徒からは本人へ激励のメッセージが込められた冊子が届けられた。

 銅メダルを手にした坂本の生きざまが、未来ある中学生の学びのテーマとなった。神戸市立渚中3年時の担任だった関口清香教諭が現在勤めているのが広陵中。その生徒が今年1月に道徳の授業として、今季に入って苦しみながらも失敗を恐れずにチャレンジし、2度目の五輪へとたどり着いた21歳から学びを得た。

 女性の強さや尊厳、自由や解放などの思いを込められたのが、今季のフリー曲として使用した海外ドキュメンタリー映画の音楽「No More Fight Left In Me/Tris」。表現する難しさに悩み、一度は手放すことも考えた。だが、最後は逃げずに挑戦することを決意。笑顔の裏で努力を重ね、大舞台に立った。

 坂本が高校生だった頃や最近の映像も交えて、生徒たちは諦めない大切さ、努力を続ける大事さなどを学んだ。きっかけは、学年主任からの言葉。今も坂本と連絡を取り合う関口教諭らが道徳の題材を模索している時に「こうやって身近にいる人から何かを感じてもらうのもいいんじゃないか」「努力を続ける、こんな凄い人がいるんじゃないか」と持ちかけられた。

 話は進み、授業として扱うことに。結果的に日本女子として12年ぶりに五輪の表彰台に上がった坂本が、最高のお手本となったことは間違いない。「まさか題材にするとは思っていなかった」と語る関口教諭も「これだけの感動を与えて、五輪でメダルを獲って…。本当に凄いです」と驚きの声を上げた。

 生徒からは激励のメッセージなどが書き込まれた冊子が本人に届けられ、銅メダルへの後押しにつながった。4年後の26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪を目指す坂本は、今後も多くの人に影響を与えていくことになりそうだ。(西海 康平)

 ◇坂本 花織(さかもと・かおり)2000年(平12)4月9日生まれ、神戸市出身の21歳。渚中、神戸野田高校を経て神戸学院大に入学。NHK連続テレビ小説がきっかけで4歳からフィギュアスケートを始め、16年全日本ジュニア選手権優勝。18年平昌五輪6位、22年北京五輪銅メダル。1メートル59。特技は水泳。

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