大西翔太〝即効〟ラウンド術⑦　距離のあるバンカーショット

大西翔太〝即効〟ラウンド術⑧距離のあるバンカーショット
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　スコアメークで重要なのはグリーン周り。その中で、多くのアマチュアが苦手とするのがバンカーショットだろう。しかも距離のあるバンカーショットとなればなおさらだろう。でもご安心を。大西翔太コーチはアベレージゴルファーでも簡単にできる脱出方法があると言います。なんと7番アイアンを使うとこのこと。果たしてどのように打つのでしょうか。女子プロテスト合格を目指す荒川侑奈選手が早速トライしてみました。 【動画・大西翔太コーチの「凄技」レッスン】

　大西　ピンまで40ヤードあるバンカーショットですが、個人的には距離のあるバンカーショットが最も難易度の高いショットだと思います。荒川さんはどのように打っていますか？

　荒川　私のパワーだと、サンドウエッジで砂を爆発させて打つエクスプロージョンショットでは35ヤードまでが限界です。40ヤードならボールをクリーンに打つしかありません。

　大西　なるほど。荒川さんのようにクリーンに打てる技術があるなら問題ないでしょう。アマチュアがクリーンに打とうとする場合のポイントとしては、ボールを通常のバンカーショットよりも1個分ほど右に置き、クラブを短く持ちます。さらに、左足に体重の6割ぐらい乗せて構えることで、ボールの上からクラブヘッドが下りてきます。アゴが高くなければ、クリーンに打つことに特化したアドレスの方がいいでしょう。あとは体を回してスイングできれば、ボールをクリーンに捉えることができます。

　荒川　ただ、少しでもヘッドが手前に下りると大幅に距離をロスする心配もあります。

　大西　同時にホームランになるリスクもありますしね。ただ、距離があるときだけでなく、ライが悪いときにも有効な打ち方なので、マスターしておくべきでしょう。

　荒川　クリーンに打つことを難しく感じる人もいるのでは？

　大西　そこで私がお勧めしたいのは、7番アイアンでのエクスプロージョンです。

　荒川　えっ、そんなにロフトが立っているクラブでエクスプロージョンをできるんですか？

　大西　もちろんできますよ。よく遠いバンカーはピッチングウエッジや9番アイアンを使えと言われますが、ロフトが大きいのでショートすることが多いんです。7番アイアンにもバンスはありますし、クラブフェースを開いて構えておけば、意外と簡単にボールは出せます。

　荒川　具体的にどのように打つんですか？

　大西　まずフェースを目いっぱいに開きます。フェースを開いた分だけ体を左に向けます。目安としては、フェース面が目標を向くまで左に向けます。あとは通常のバンカーショットと同じようにバンスを砂面にぶつけるつもりでヘッドを下ろすだけです。

　荒川　飛び過ぎたりしないのでしょうか？

　大西　もちろん、フルスイングだと飛び過ぎるかもしれないので、スイング幅はそれほど大きくしません。バンカー練習場で一度試してみて、どれぐらいの振り幅ならどれだけ飛ぶのかを確認しておきましょう。ただ、サンドウエッジで打つよりも圧倒的にランが多く出ます。ピンを狙うときは結構手前にボールを落とすイメージを持ちましょう。

　荒川　実際に試してみると、結構簡単にボールを出せるんですね。

　大西　クリーンに打とうとしてザックリしたり、ホームランするよりははるかに簡単です。アベレージゴルファー向きだと言いましたが、ツアープロでもこのショットを使っている人は結構いるので、どんどん取り入れてほしいですね。

　 （取材協力・船橋カントリークラブ）


　◆大西　翔太（おおにし・しょうた）1992年（平4）6月20日生まれ、千葉県出身の29歳。12歳でゴルフを始め茨城・水城高ゴルフ部で石井貢監督に師事。卒業後に日本プロゴルフ協会ティーチングプロＡ級資格を取得。女子プロの青木瀬令奈と契約を結び昨年のサントリー・レディースでは復活優勝に導く。昨年から渋沢莉絵留も指導。妹の葵も女子プロ。

　◆荒川　侑奈（あらかわ・ゆな）1995年（平7）10月28日生まれ、千葉県出身の26歳。９歳でゴルフを始め関東中学選手権、千葉県ジュニアで優勝。聖徳大付女子高卒。1Wの平均飛距離は250ヤード。