ワリエワのため?にモスクワで団体1位“表彰式”やっちゃった 前日のインスタには“ゴースト”疑う声も

[ 2022年2月22日 20:50 ]

歓迎式典に出席した(前列左から)ワリエワ、トルソワ、シェルバコワ(ロイター)

 北京冬季五輪に出場したロシア・オリンピック委員会(ROC)の選手団が21日に帰国し、モスクワ市内で開かれたセレモニーに出席した。フィギュアスケート団体で1位になりながら、カミラ・ワリエワ(15)のドーピング違反発覚でメダルを受け取れなかった選手たちは“特別賞”を受賞。ワリエワも出席し、自身のインスタグラムではコーチやファンへの感謝を記して現役続行に意欲を示した。

 ロシアのメディアによると、モスクワ中心部のセレモニー会場には約2000人が集まり、国旗が盛んに打ち振られた。国ぐるみのドーピング違反による資格停止で選手は「ROC」としての五輪出場だったが、チェルニシェンコ副首相らが出席した式典はまさにロシア代表扱い。フィギュアスケート女子金メダルのシェルバコワはスピーチで感謝を口にし、銀メダルのトルソワは愛犬を披露した。

 国際オリンピック委員会(IOC)が北京で実施しなかったフィギュアの“表彰式”も行われた。五輪シンボルに似せて5つのハート型を組み合わせ、「我々の心のチャンピオン」と刻印されたネックレスが“特別賞”としてメンバーに贈られた。女子シングル4位に終わり、先に帰国していたワリエワも出席。巨大なテディベアのぬいぐるみもプレゼントされ、笑顔をのぞかせた。

 ワリエワは21日に五輪後初めて自身のインスタグラムを更新。まずはエテリ・トゥトベリゼ・コーチらとの写真を掲載し「アスリート人生で最も重要な大会に導いてくれて感謝します」とロシア語で感謝の思いを記した。さらにロシア語と英語の投稿では「この難しい時期に一緒にいてくれた全ての人に感謝したい。みなさんに感謝して、みなさんのためにスケートをします」と現役続行の意思を表明。末尾にロシア語、英語、日本語、中国語で「ありがとう」とハッシュタグを添え、投稿には50万以上の「いいね!」が付いた。

 15歳のワリエワは26年ミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪も十分に狙える年齢。だが、現状は昨年12月のドーピング違反についての調査結果を待っている段階で、仮にロシア反ドーピング機関(RUSADA)が温情裁定を下せば世界反ドーピング機関(WADA)が上訴して問題の長期化は必至だ。女子フリーの直後に「なぜ諦めたの?」と叱責したトゥトベリゼ・コーチに対する感謝には「投稿させられているのでは?」と指摘する声もネットで上がっており、騒動は収まる気配を見せていない。

 〇…ワリエワの投稿に対し、インターネット上ではさまざまな反応が上がった。エテリ・トゥトベリゼ・コーチや関係者へ感謝の思いを記した内容に「言わされてるんじゃないかなって思っちゃうんだよなぁ」「言わされてる感が凄くてまたかわいそうになった」と心配の声が続々。また、現役続行の意向を示していることから「立ち直ってほしい」「美しい演技が見たい」とエールの声も散見された。一方で、「あなたのためにスケートします」などと露骨につづられた忠誠心には「ワリエワのインスタ、本当に本人が?」「本当に彼女自身が書いたのか?」といった“ゴーストライター”を疑うコメントもあった。

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