照ノ富士 元白鵬に見せた貫禄白星、見守った2年前と逆 新横綱連覇へ好発進

[ 2021年11月15日 05:30 ]

大相撲九州場所初日 ( 2021年11月14日    福岡国際センター )

照ノ富士(右)が小股すくいで霧馬山を下す
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 2年ぶりとなる九州での本場所が幕を開けた。史上11人目となる番付上での一人横綱となった照ノ富士(29=伊勢ケ浜部屋)は間垣親方(元横綱・白鵬)が花道から見守る前で新小結・霧馬山(25=陸奥部屋)を小股すくいで下し、白星で滑り出した。2大関は明暗が分かれた。貴景勝(25=常盤山部屋)は若隆景(26=荒汐部屋)を突き落としで退けたが、正代(30=時津風部屋)は大栄翔(28=追手風部屋)に押し倒された。

 2年前の九州場所13日目のことだ。幕下優勝で関取返り咲きを確実にした照ノ富士は、花道奥から横綱・白鵬の土俵入りを眺めていた。「もう一度、戦えるかな。夢は大きい方がいい」。2年ぶりの博多の土俵に一人横綱として戻った第73代横綱は2場所連続優勝へ好発進した。

 間垣親方となった元白鵬が館内警備担当として花道から見守った結びの一番。新小結の霧馬山にもろ差しを許すが、冷静だった。頭をつけて左前まわしを引く。右上手投げに左下手投げを打ち返して横向きにさせ、右脚を抱える小股すくいで新鋭を仕留めた。慎重な取り口に「全てが思い通りにはいかない。その中でも白星を多く重ねていくのがいいので良かった」と淡々と話した。

 大相撲は転換期を迎えた。両膝のケガや内臓疾患で大関から序二段まで転落しながら復活した照ノ富士が、その中心を担う。新たな一歩を踏み出す後輩に対し、一人横綱として長く土俵をけん引した間垣親方は「乗り越えて、一つ一つを経験にしていけば流れに乗ってくる」とエールを送る。

 照ノ富士も重責を果たす覚悟は決まっている。1962年初場所の大鵬以来59年ぶりとなる新横綱からの2連覇がかかる納めの場所。堂々たる内容で最高位の威厳を示すのが役目だ。「九州の皆さんを喜ばせたい。土俵に上がったら、一生懸命やるしかない。最後まで頑張る」と決意をにじませた。

 《ポケモン懸賞ゲットだぜ!》結びの一番で、人気ゲーム「ポケットモンスター」の懸賞旗が登場した。おなじみの「ねずみポケモン ピカチュウ」と「こんじょうポケモン マクノシタ」の2旗が土俵周りを一周し、場内放送で読み上げられた。ポケモンの懸賞旗は2日目以降も登場し、千秋楽だけで36本を予定しているという。観客の注目も「ゲット」できるか。

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2021年11月15日のニュース