萌寧 9差Vで通算10勝目「あと2試合は今季2桁優勝目指す」次戦にも賞金女王決定

[ 2021年11月15日 05:30 ]

女子ゴルフツアー 伊藤園レディース最終日 ( 2021年11月14日    千葉県 グレートアイランドC=6741ヤード、パー72 )

<伊藤園レディース・最終日>通算10勝目を上げ笑顔を見せる稲見萌寧(撮影・西尾 大助)
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 首位から出た賞金ランキング1位の稲見萌寧(22=都築電気)が7バーディー、ボギーなしの65で回り、通算17アンダーに伸ばし、9打差で圧勝した。今季9勝目、ツアー通算10勝目。22歳108日での通算10勝はツアー歴代2位の年少記録。獲得賞金は約2億5257万円となり、次戦の大王製紙エリエール・レディース(18日開幕、愛媛・エリエールGC松山)で初の賞金女王が決まる可能性が出てきた。

 圧勝を象徴するようなシーンだった。最終18番、9メートルのパットを打った稲見は球がカップに届く前に両手を上げた。余裕のバーディーフィニッシュに「自分の中では凄くうまく打てて“これは入った”と思った。今日は一日パットが入ってくれた」と顔をほころばせた。

 1打差首位でスタート。5番パー5で第3打を1メートルにつけて初バーディー。12番からの3連続バーディーで独走態勢を築き、9打差をつけて自己最大差の優勝を飾った。

 10月中旬に腰痛を発症。その直後に病院で検査を受けて「ヘルニア」と診断されていたことを明かした。電気治療を受け、今週も酸素カプセルに入るなどケアを続けるが「試合の日は朝に痛みが出る」。この日も患部に湿布を張り、痛み止めを服用し「反り腰なので反らないように」姿勢にも注意しながらプレーした。それでも強風の中、フェアウエーを外したのが1度だけ、パーオンを逃したのが2度だけとショットは安定感抜群。2日連続ボギーなしで終えた。

 「2桁優勝できたことと地元千葉県で勝てたことが凄くうれしい」。22歳108日での通算10勝達成は宮里藍の20歳105日に次ぐ歴代2位の年少記録。73試合での到達は歴代3位の速さだ。今季9勝中8勝を今年手にしている。

 好成績を支えるのはパットだ。昨年9月の日本女子プロ選手権でグリーン上で苦しみ予選落ち。苦痛に感じていたパット練習を増やした。腰痛発症後もショット練習は減らしたが、パット練習は減らしていない。この日も最少の27パット。13番では13メートルのバーディーパットをねじ込んだ。

 次戦の大王製紙エリエール・レディースで初の賞金女王が決まる可能性が出てきたが、稲見は次の1勝を見据える。「あと2試合は今季2桁優勝を目指して頑張る。結果的に(賞金女王に)なれたらいい」と、03年に不動裕理が打ち立てたシーズン10勝の最多優勝記録に狙いを定めた。

 《9打差は歴代10位タイ》最多差優勝のツアー記録は96年伊藤園レディースでローラ・デービース(英国)がマークした15打差。歴代2位は11打差で73年東海クラシックの樋口久子ら3例。さらに10打差が5例あり、9打差は歴代10位タイ。

 ▽賞金女王決定の条件 賞金女王争いは賞金1位の稲見と賞金2位の古江の2人に絞られた。残り2戦で、2人の差は1696万8474円。稲見が次戦で賞金女王を決めるには優勝が絶対条件で、古江が6位以下で決まる。また、古江が2~5位タイでも決まる可能性がある。なお稲見は昨年のツアー選手権リコー杯終了時に賞金1位の笹生に6561万7954円、古江は9月の住友生命レディース終了時に賞金1位の稲見に7248万4074円の差をつけられており、どちらがタイトルを獲得してもツアー史上最大の逆転賞金女王となる。

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