ツアー2勝の薗田峻輔 5年4カ月ぶりの首位 マイナビABC選手権

[ 2021年11月4日 17:24 ]

プロゴルファーの薗田峻輔
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 男子ゴルフのマイナビABC選手権(賞金総額1億5000万円、優勝賞金3000万円)は4日、兵庫県加東市のABCGC(7217ヤード、パー72)で第1ラウンドを行った。

 
 主催者推薦出場の賞金ランキング122位・薗田峻輔(32=フリー)が7バーディー、ノーボギーの65をマークし、7アンダーで首位スタートを切った。薗田が首位に立つのは2016年7月のダンロップ・スリクソン福島オープン初日以来、実に5年4カ月ぶり。2010年6月のミズノ・オープンをプロデビューわずか5試合目で制した実力者が長いトンネルを抜け出そうとしている。

 「ありがたいことに、こうやって試合に出させていただいて。推薦という一つ乗っかってプレーすることでプレッシャーを感じることもありますけど、ここ最近はかなり“悪い”っていう感覚が底上げされてきました。少しずつ積み重ねてきてここまで来れたと想います」

 東京・杉並学院高では石川遼の2年先輩。その石川が憧れの気持ちを込めて名付けた「キング」が薗田の愛称だったこともある。プロデビューした2010年に約7000万円を稼いで賞金ランキング10位に。予選落ちを喫したが、その年に初の海外メジャー、全英オープン出場も経験した。2013年にはセガサミー・カップでツアー2勝目。その後、勝ち星からは遠ざかったが、2017年までの8年間、賞金シードを守り続けた。

 しかし、2018年には15試合連続(マッチプレーを除く)で予選落ちするなど賞金ランキング120位で初めて賞金シードを失い、翌2019年にはレギュラーツアーでの獲得賞金がついに0円に。低迷の原因はティーショットが怖くて振れなくなるドライバーイップスだった。

 「自分の感覚と器械で計測した数値が真逆でした。一つ一つの動作で、できるだけ自分の感覚を抑え込んで感覚と数値が合うようにしました。今はこうなればこうなるというのが大分、分かってきました。フワッとしたものではなくこれだというものをつかんできてるとは想います」

 今季は5試合に出場して3試合で予選を通過。5月の中日クラウンズでは15位に食い込み、来季のツアー出場権を争う予選会でも2次をトップで通過した。少しずつではあるが、復活へ前進を続けてきた。

 この日は11番パー4(457ヤード)、12番パー3(193ヤード)で2連続チップインバーディーを決めるなど、幸運もあったが、最終18番パー5(525ヤード)ではフェアウエーのど真ん中から157ヤードの第2打を9Iでピン右手前8メートルに運んで楽々バーディー。フェアウエーキープ率も71・43パーセントで全体3位と上々の数字を残した。

 今大会で単独2位以上に入れば、3シーズンぶりの賞金シード復活も見えてくるが「結果論としていいスタートが切れただけ。まだ、残り3日間ありますし」と薗田にまだ完全復活への確信はない。
 だが、その一方で「いいショットだけでなく何度もミスもしました。そのミスをカバーしてこのスコアが出せたのは自信ポイントになったと思います」とも。次週の三井住友VISA太平洋マスターズにも主催者推薦出場が決まっている。希望を抱きながらの今季残り2試合となることは間違いない。

 

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2021年11月4日のニュース