バレー女子・荒木絵里香、引退会見で明かす「一番印象に残っている」試合とは

[ 2021年10月5日 18:56 ]

引退会見に臨んだバレーボール女子の荒木絵里香
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 現役引退を発表した東京五輪バレーボール女子日本代表の主将・荒木絵里香(37=トヨタ車体)が5日、名古屋市内で引退会見を行った。五輪では08年北京から東京まで4大会連続で出場し、12年ロンドンでは銅メダル獲得に貢献。これまで日の丸を背負い、第一線でプレーし続けたミドルブロッカーが大舞台を振り返った。

 五輪は特別な場所だった。子供の頃から将来の夢は「オリンピック選手になりたい」。その夢をかなえ、4度も五輪の舞台に足を踏み入れ「バレーボール選手を味わい尽くせた」と充実感であふれた。

 引退を決意したのは昨年、東京五輪の延期が決まった時。自国開催でのプレーを「大きな目標」としてきた荒木は、「もう1年やるって決めた時点で(引退を)決めていた」と打ち明けた。

 11歳からバレーボールを始め、26年間の競技生活。「一番印象に残っている」という試合も、もちろん五輪にあった。銅メダルを獲得した12年ロンドン五輪準々決勝での中国戦。序盤から白熱したラリーを展開し、第1セットをジュースの末に28―26で先取したが、第2セットは23―25、第3セットは25―23、第4セットは23―25と互いに譲らない意地がぶつかった。そして、最終第5セット。2度マッチポイントを握られながらも、最後は18―16で制し、表彰台へとつながった。

 「ここまで、たくさん数えきれないほどの試合をした中で、フルセットで全て2点差という経験はない。それを最高の舞台で、最高の仲間と、最高の対戦相手とできたことは凄く素晴らしい経験だった。そこに至るまでのみんなと築き上げてきた過程が大きなものだと自分の中では感じている」

 東京五輪では1勝しかできず、1次リーグ敗退という結果に終わった。「大事な場面で全て発揮することができなかった」と悔しさをにじませた。この思いは後輩たちへつないでいく。「みんなに頑張ってほしいなと思っている。チーム力が大事だけど、個人の力があってのチーム力。チームのためにハードワークできるようなチームをつくってほしい」と、24年パリ五輪へ向かう火の鳥ニッポンに託した。

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2021年10月5日のニュース