荒木絵里香が引退会見「能力の限界感じて認めた」 母としての思い「娘と過ごす時間大事にしたい」

[ 2021年10月5日 13:00 ]

引退会見に臨んだバレーボール女子の荒木絵里香
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 現役引退を発表した東京五輪バレーボール女子日本代表の主将・荒木絵里香(37=トヨタ車体)が5日、愛知県名古屋市で引退会見を行った。11歳からバレーを始め、26年間の競技生活に終止符。五輪では08年北京から東京まで4大会連続で出場し、12年ロンドンでは銅メダル獲得に貢献したミドルブロッカーは「バレーボール選手を味わい尽くせた」と笑顔で振り返った。

 充実した表情で、丁寧に自分の言葉で思いを語った。昨年、東京五輪が延期となり、もう1年プレーすることを決めた時に引退を決意。大きな目標だった大舞台を終え、「バレーボールをうまくなりたい一心で続けてきて、うまくなるというところの能力の限界を自分の中で感じて認めたことが一番大きなところなのかな」と引退の経緯を明かした。

 娘への思いもあった。14年に長女を出産し、現役復帰。その後も第一線でプレーを続け、娘と過ごす時間は限られた。試合や遠征で家を離れると「バレーにママをとられた」と泣き叫ばれることもあった。だが、東京五輪が最後の戦いになることを伝えると「ママがバレーボール選手じゃなくなる」と泣いていたという。荒木は「彼女なにりに考えることがあったんだなと思う。娘と過ごす時間を大事にしたい」と母の顔をのぞかせた。

 今後はトヨタ車体のチームコーディネーターとしてバレーボール界の発展に努めていく。大学院への進学も考えており「スポーツ、バレーボールのことをいろんな方面から学びたい」。出産を経て現役復帰した経験も生かし「出産してもプレーする、働くことが当たり前の選択肢になるといい」と女性の社会進出へ貢献する意欲も示した。まだまだ探求心は尽きないが、まずは家族との時間を大切にしながら次のステージへ。「想像を超えるくらい幸せなバレーボール人生だった」と語る37歳は笑顔でコートに別れを告げた。

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2021年10月5日のニュース