アメフト京大 自滅敗戦の中でQB泉が示した可能性 伝統の関京戦で勝利につながるタクトを

[ 2021年10月4日 05:30 ]

関西学生アメリカンフットボール1部リーグBブロック   京大14-35関大 ( 2021年10月3日    たけびしスタジアム京都 )

<関大・京大>1Q、パスを出す京大・QB泉(撮影・後藤 正志)
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 獲得ヤードと勝敗は、必ずしも比例しない。京大は430ヤード(パス289、ラン141)と関大の262ヤード(パス48、ラン214)を圧倒しながら、完敗を喫した。要所で出たミスが響いたのは言うまでもない。それでも、QB泉岳斗(2年)は前向きに初戦の黒星を捉えようとしていた。

 「QBとしてドライブが進んだことは自信につながりました。やりたいことはできたけど、ツメが甘かった」

 結果と手応えも、時に比例しないことがある。ランでもパスでも、泉のプレーは、リーグで屈指のポテンシャルを持つ関大ディフェンスの手を焼かせた。敵陣31ヤードまで攻め込んだ第1Qの先制機は、インターセプトでターンオーバー。「あのプレーはやられた原因が分かっていたので、尾を引きませんでした」。大胆かつ細心なクォーターバッキングで、その後も自在にドライブを進めていく。第2Q9分48秒に自身の3ヤードTDランで、TFPも成功し同点。モメンタムを引き寄せたものの、直後に突き放され、第3Q終了間際には、TDを狙ったパスが再び相手にキャッチされた。

 父親の仕事の関係で、小5から中2の4月まで米ペンシルベニア州に住んでいた帰国子女。現地でアメフトを始め、一時期を除いて、司令塔を任されていた。今でも時間があれば、米大学アメフトの動画を視聴し、プレーアクションパスなどを研究。視野の広さと体勢が崩れても正確にヒットさせるパスは、次戦(17日、王子ス)で顔を合わせる関学大にとっても脅威となる。

 「きょうのオフェンスが関学大戦でもできれば、勝利は見えてくると思います」

 伝統の「関京戦」だからといって、変な気負いや力みはない。あくまでも目標は学生日本一。一つの黒星くらいで、泉のスタンスは決してぶれない。

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