男子3000障害・三浦龍司 自身の日本記録を6秒以上更新し日本人49年ぶり決勝進出 

[ 2021年7月31日 05:30 ]

東京五輪第8日 陸上男子3000メートル障害予選 ( 2021年7月30日    国立競技場 )

 男子3000メートル障害予選で自らの日本記録を更新する8分9秒92をマークし、1組2着で決勝進出を決めた三浦龍司=国立競技場
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 陸上競技が開幕し、男子3000メートル障害予選は日本記録保持者の三浦龍司(19=順大)が自身の記録を6秒以上塗り替える8分9秒92の日本新記録で日本人として49年ぶりに決勝に進出した。

 19歳が「サンショー」と呼ばれる3000メートル障害の歴史を動かした。日本人で決勝に出場するのは2人目。おまけに1カ月前に記録した自己記録を6秒以上短縮した三浦は「(8分)1桁台というのはまだ先の目標かと思っていた。充実していた試合」と胸を張った。

 伝統的に強いケニア、エチオピアといったアフリカ勢にも全く引けを取らなかった。6月の日本選手権は水濠(すいごう)で転倒しながらも日本新。重要な一戦で凡ミスは繰り返さず残り1周は得意の猛スパートでトップに肉薄した。19年世界選手権銀のL・ギルマ(エチオピア)に競り負けたが、全体2番目のタイムを出し「まだまだ、伸ばせるという可能性につながった」と決勝の夢も膨らんだ。

 順大の同級生にも刺激を受けた。28日に体操男子個人総合で金メダルを獲得した橋本大輝(19)の活躍を目の当たりにし「同年代でインパクトがあった」とモチベーションは高かった。

 島根・国府小時代から長距離と障害種目の“二刀流”に取り組んでいた。小学1年から通った浜田陸上教室で力を付け、低学年ながらマラソン大会では小学6年生と同着したほか、80メートル障害でも全国レベル。早くからスタミナ、ハードリング技術という3000メートル障害に必須の才能を見いだされ、進学した京都・洛南高では「3000メートル障害をやる」という条件でスカウトを受けたという逸材だ。

 8月2日の決勝では72年ミュンヘン五輪の小山隆治の9位を上回る日本人初の入賞、さらにメダルも視野に入れる。「記録は出たが、それ以上の強さを見せないといけない。どんな展開でもタフについていってラスト勝負したい」と三浦。また歴史は動きそうだ。(河西 崇)

 ◇三浦 龍司(みうら・りゅうじ)2002年(平14)2月11日生まれ、島根県浜田市出身の19歳。小学1年から陸上を始め、浜田東中ではジュニア五輪などに出場。京都・洛南高では19年インターハイ3000メートル障害で2位。20年10月の箱根予選会では1時間1分41秒で大迫傑のハーフマラソン20歳以下日本記録を更新。今年6月の日本選手権で8分15秒99の日本新記録を樹立した。1メートル67、56キロ。

 ▽1972年ミュンヘン五輪の日本勢成績 陸上は3大会連続出場となった男子マラソンの君原健二が5位に入賞したのが最高順位。このほかの入賞者は男子ハンマー投げの室伏重信の8位のみで、メダル獲得は1種目もなかった。他競技では体操男子団体が金メダルを獲得し4連覇を達成。男子バレーボールが初めて金メダルを獲得するなど金13個を含む29個のメダルを獲得した。

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2021年7月31日のニュース