柔道は無念の銀だけど……男女混合種目で大活躍のチームJAPANは胸を張れる!

[ 2021年7月31日 20:11 ]

混合ダブルス決勝、中国ペアを破って金メダルに輝き、抱き合って喜ぶ伊藤美誠(左)、水谷隼組(ロイター)

 今大会の日本勢で目に付いたのが、男女混合種目での活躍だ。初採用された卓球の「混合ダブルス」では水谷隼・伊藤美誠のペアが金メダル。バドミントンの「混合ダブルス」では世界ランキング5位の渡辺勇大・東野有紗のペアが銅で、この種目で日本勢初となるメダルを手にした。そして日本のお家芸とされる柔道の「混合団体」も決勝でフランスにこそ敗れたが、銀メダルを獲得。選手のひたむきな姿勢、そしてチームワークの素晴らしさは、テレビ画面越しに日本中に伝わったはずだ。

 金メダル有力と言われていた柔道の「混合団体」。しかし、当事者はそこまで余裕しゃくしゃくだったわけではない。新型コロナウイルスの影響で、日本柔道チームが国際大会に復帰したのは今年の1月。男子73キロ級の大野将平に至っては昨年2月以来、26日の個人戦まで試合経験がなかった。また、格闘技という性質上、感染防止を重視するため、合宿の回数や日数も最小限。混合戦に向けて、チームジャパンとしての一体感を醸成できない不安もあった。

 さらには、男子を中心に出身大学を練習拠点にしている選手が多い中、コロナ下で大学の活動も制約を受けているので、稽古相手も限定的だった。5月には選手1人が新型コロナウイルスの検査で陽性と判定されたため、東京で予定されていた強化合宿が中止となるアクシデントも…。そんな中で一人一人が調整に工夫を凝らして五輪へ。大野は「個性豊かな選手が多く、最強かつ最高の集団」とチームメイトへの厚い信頼を示し、「男女混合団体で金メダルを獲得することが一番の目標」と断言していた。団体戦では試合前にスタッフを含めて大きな円陣を組み、気持ちを一つに─。最高の結果を得ることはできなかったが、限られた時間の中で団結心を強めて手にした誇れる銀メダルだった。

 今大会の男女混合種目は18種目で、前回のリオ五輪から倍増。女性選手の参加割合も史上最高の49%に達した。五輪史上、「最もジェンダーバランスの良い大会」における、混合種目での日本の活躍。開催前から問題が相次いだ中、開催国として胸を張れる結果であることは間違いない。

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