日本リレーの“達人”桐生が全快宣言!母国で悲願頂点へ「最高のパフォーマンスをすれば金メダルが獲れる」

[ 2021年7月10日 05:30 ]

軽いダッシュで練習で汗を流す桐生
Photo By 代表撮影

 陸上の東京五輪男子短距離代表チームが9日、山梨・富士北麓公園陸上競技場で練習を公開した。アキレス腱痛を抱えていた400メートルリレー代表の桐生祥秀(25=日本生命)が日本選手権決勝から約2週間ぶりに練習を再開。合宿初日は軽めの調整で終えたが、痛みはなく本職の3走起用に向け準備万端を強調した。リレーチームの中で唯一、リオ五輪以降の世界大会全てでメダルを獲得している桐生。チーム随一の経験者の復活が金メダル獲得の鍵を握りそうだ。

 芝生の感触を確かめるように、そして痛めていたアキレス腱をねぎらうように、桐生は軽いダッシュで久しぶりの練習を終えた。「走ってみた感じは凄く順調に来ている。スピードを上げても(アキレス腱が)気にならなかったのが収穫」と笑顔で振り返った。

 100メートルの代表切符を逃した6月下旬の日本選手権から合宿までの期間はジョギングすら行わず、患部の治療に専念してきた。この日はトラックでは1本も走らなかったが「走力はこの1カ月で仕上げる自信はある。割り当てられた走順で最高のパフォーマンスをしたい」と“秘密兵器”がニヤリと笑った。

 個人種目での出場は逃したが、リオ五輪以降の国際大会全てのリレーメダルを獲得した唯一の選手としての自負はある。各大会でメンバーは替わったが、3走の桐生だけはスペシャリストとして起用され続けてきた。「経験がある分、いろいろな場に応じて対応はできる」。現状では3走かアンカーでの起用が濃厚だが「個人的には3(走)かアンカーを走りたいが、どっちでもしっかりできる自信はある」と話した。

 桐生を指導する土江寛裕強化コーチは「五輪本番には100%に戻せる状態になっている」と起用を示唆。悩まされた故障が癒えたことで金メダルへのラストピースとしての期待が高まっている。「バトン、走力、できる最高のパフォーマンスをすれば金メダルが獲れると思う」と桐生。“リレーの達人”の言葉には重みがある。

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2021年7月10日のニュース